特養とは?特別養護老人ホームの費用と入る方法とは?

特養は特別養護老人ホームの略称であり、介護保険上の名称としては介護福祉施設といいます。ここでは、特養について、費用や入居基準、入るまでの流れや有料老人ホームとの違いについてご紹介していきます。

特養はどんな施設なのか

特養はどのような施設なのか具体的にご紹介していきます。

特養はどこが運営しているのか?

特養を運営しているのは基本的には社会福祉法人であり、営利目的の株式会社などは運営することはできません。これは特養が地域の高齢者の為に建てられるということを目的としており、地域の老人ホームとしての顔があるからです。

特養はどんな形態があるのか?

特養と言っても様々な形態があります。

従来型特養、新型特養と呼ばれる形態です。従来型特養は昔からある特養であり、4人部屋があることが特徴です。

利用料金は非常に安い反面、施設設備としては古くプライバシーが守られないなどといった問題もあります。

新型特養は新しい形の特養であり、現在新しく建てられる特養は全てこの形態の特養となっています。

ユニットケアや個室などが整備されており、過ごしやすい環境がととのっていますが、その反面料金が高いというデメリットもありますので注意が必要です。

介護については有料老人ホームも、特養も基本的には同じです。要介護者に対して介護を提供することをサービスの基本としています。

特養の費用について

特養の料金の特徴として、収入によって料金が異なるという点があります。収入が低い方は利用料金が安く、収入が高い方は利用料金は高く設定されます。

これは市町村が実施する減免制度という制度が関係しています。

減免制度では、特養の利用時にかかる部屋代と食事代が収入によって減額されます。

それではどの程度減額されるのでしょうか?

減免制度は全部で4段階あり、最も安いケースですと世帯収入が80万円以下、従来型特養の多床室(4人部屋や2人部屋)の場合で、食費は一日300円、部屋代は0円となり、介護保険料なども含めると月に5万円~8万円程度で利用することができます。

これは生活保護の方でも入居できる金額です。

従来型特養ではその料金設定が安いことから、非常に多くの方が入居待ちをしている状態でありこれが「特養待ち」と呼ばれる現象に繋がっているのです。

特養は収入に応じて月に5万円~、収入が高く新型特養の個室の場合は月に20万円程と入る方、入る施設によって大きく料金が異なるのが特徴的であるといえます。

特養にはどんな方が入居できるのか

特養は入居待ちが非常に多く、本当に入居が必要な方が入居できない状況が長く続いていました。

そのため、数年前の法改正によって入居基準が定められたのです。

特養の入居基準とはどのようなものがあるのでしょうか?

・要介護3以上必要

特養に入居する為には要介護3以上必要になります。これは、以前までは要介護1以上あれば入居することが出来ましたが、軽度の方は出来る限り自宅で生活をしてもらうという方針によって要介護3以上の常時介護が必要な方しか入居することが出来なくなりました。
特養に入りたいと考えていても、要介護1や2、要支援者の場合は基本的には入居できなくなりますので注意しましょう。

特養の優先順位について

特養待ちがある老人ホームの場合は、多いところで100名待ちといった状況になっています。

その場合、先着順で案内をするのではなく、きちんと優先順位順に案内することが決まっています。

優先順位が高い方としては、一人で生活をしている方や介護をしてくれる家族がいない場合、金銭的に介護が難しい場合、同居者がいても同居者が高齢の場合などが優先順位が高くなる傾向があります。

また、要介護3以上必要といいましたが、場合によっては要介護1や2でも入居できるケースもあります。

基本的には自宅で生活をすることが難しい場合には、軽介護でも入居できる場合もあります。

★ポイント
特養といっても様々な種類があることが分かります。
特養待ちなどは要介護3以上の入居となって、随分解消されたといわれていますが、まだまだ問題点として挙げられます。

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特養へ入居する為には

特養へ入居しようと思いますと、どのような流れがあるのでしょうか?
ここでは実際に特養に入居するまでの流れについてご紹介していきます。

・申し込みを行う

特養へ入居しようと思いますとまずは申し込みをしなければなりません。

申し込みをしないことには何も始まりません。

申込書類は特養にありますので、申し込みを行います。

有料老人ホームの場合はすぐに入居できるケースもありますが、特養の場合はほとんどのケースですぐに入居することはできません。

・特養待ちの期間について

最も入りやすいとされているのがユニット型特養です。

ユニット型特養が一番空きがあるといわれています。

その理由としては料金の高さが挙げられます。

反対に最も入りにくいのが従来型特養であり、その理由は料金の安さです。

生活保護の方は基本的には従来型特養しか入居することが出来ませんので、どうしても待ちが多いのです。

厚生労働省が2014年に発表した特養待ちの期間で1年未満に入居出来た方は33%、1か月以上3か月未満だった方は25%、3か月以上6か月未満の方は16%となっています。

つまり77%の方は3か月以上は待っているといえます。

また、特養の場合は優先順位がありますので、要介護3以上になったからといってすぐに入れるわけではありませんので注意しておきましょう。

特養入居前の判定

特養は老人ホームですが、集団生活を行う場所ですので、問題行動がある方は基本的には入居できません。

認知機能の低下があり暴力行為が強いというのが最も断られる原因でしょう。

判定については、特養の職員と実際に面談をして判定をしていきます。

有料老人ホームは営利企業ですので、入居してもらうことを優先的に考えていますが、特養はあくまでも社会福祉法人ですのでお客様扱いはされませんので注意しておきましょう。

特養への入居を少しでも早くするコツ

入居を待ってられないと思う方は少しでも早く入居できるコツをご紹介していきます。

まず一つ目は複数の老人ホームに申し込むということです。

同時に複数のところに申し込みが出来ますので、是非行ってください。

二つ目は地域を広げるということです。地域を限定してしまいますと、どうしても入れる特養は限られますので、少しでも広げて探すようにしましょう。

★ポイント
特養はその特色から要介護者へ介護を提供する責務があります。売り上げについては有料老人ホーム程強く意識していません。そのため、有料老人ホームでは入居までは極力お客様に合わせたスケジュールになることが多いのですが、特養の場合は老人ホーム側のペースになることが多いといわれています。

特養と有料老人ホームの違いについて

特養と有料老人ホームは様々な異なる点があります。

具体的にはどのような点が異なる部分なのでしょうか?

特養と有料老人ホームの料金の違いについて

特養と有料老人ホームの料金は大きくことなります。

それではどの部分が違うのでしょうか。

①入居一時金について

有料老人ホームでは入居一時金を設定しているところが多く、場所によっては数十万円~数千万円の入居一時金が必要なところがあります。

しかし特養の場合は入居一時金を取ってはいけないという決まりがあります。

その為、有料老人ホームに比べると特養は安いと言えます。また、有料老人ホームには減免制度はありません。

部屋代や食費はすべて自費であり、所得が低い方でも通常料金を請求することになります。

②おむつ代などについて

入居一時金以外の費用はどのようになっているのでしょうか。

特養はおむつ代を支払う必要はありません。老人ホーム側が用意をしてくれます。

有料老人ホームではおむつ代を支払う必要がありますので注意しておきましょう。

また有料老人ホームでは多くのところで設定している管理費ですが、管理費に関しても特養は0円、もしくは格安の場合がほとんどです。

③控除について

有料老人ホームの利用料は特に対象にはなりませんが、特養の場合は対象になります。

介護保険自己負担分、部屋代、食費が対象となり、税金の控除を受けることができるのです。

安い利用料、控除を考えると特養は非常にお得感があると言えます。

特養の介護体制について

特養と有料老人ホームの介護体制には違いがあるのでしょうか。

有料老人ホームは老人ホームによって差が大きくありますので、ここでは平均的な入居一時金が500万円から1000万円台の有料老人ホームとの比較をご紹介していきます。

特養の多くは法律で決まっている介護職員3名に対して高齢者1名の人員配置のところが多いです。

また、この数字は常勤換算ですので注意しましょう。

例えば50人の入居者がいるところでは日勤帯で働く職員の数はおおよそ6名から8名です。これは非常に少ない数であると言わざる得ません。

対して有料老人ホームの場合は常勤換算で職員2人あたり高齢者が1人、場所によっては1,5名に対して1人という非常に手厚い人員を配置しているところもあります。

介護はやはり介護職員の数で、充実した介護を受けれるのかどうかが大きく異なります。

特養の支援体制について

国家資格がなければできない支援の受け入れ体制についても、特養と有料老人ホームでは異なる傾向にあります。

まずは有資格者の数です。特養の場合は50名の利用者でしたら資格を持っているスタッフは1名か2名の人員配置のところがほとんどに対して、有料老人ホームの場合は2名~4名ほど配置しています。

また、体調体制についても定期的に見てもらったり、専門機関を併設しているケースもあります。

連携先と協力をして人間ドックを実施したりなど、様々なプラスアルファを持っているのが有料老人ホームの特徴であるといえます。

★ポイント
有料老人ホームを検討していた方が特養も検討すると、どうしても人員体制に不安を感じて高い値段を出しても有料老人ホームに入居したいと考えることが多いです。
値段なりの体制、サービスが整っているのが有料老人ホームの特徴であるといえます。

まとめ

特養を知ることによって、有料老人ホームとの比較もできますし、有料老人ホームの良さ、悪さを知ることが出来ます。
様々な情報を知ったうえで、自分の理想としている老人ホームを見つけることをお勧めします。

 

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