特養に入るには?特養の入所判定基準と介護度とは?

特別養護老人ホームは入所にはハードルの高い条件があるようなイメージがありますね。

ここでは実際に特養の入所基準や、現在空きのある特別養護老人ホームについてご紹介していきます。

●特養には入れない?

特別養護老人ホーム(以下特養)は、運営母体が社会福祉法人や地上自治体といった公的施設です。

そのため、特養は介護老人福祉施設とも呼ばれています。

運営母体が公的期間なので、入所時の料金や月々の料金が民間の有料老人ホームよりも格安になるのが大きな魅力です。

・特養のメリットは?

特養のメリットがいくつかあります。それについて説明します。

①格安で入所できる

介護施設は数ありますが、特養の魅力は料金の安さです。

入居時の一時金も不要で月々の料金が格安に設定されているのは、公的機関が運営する強みと言えるでしょう。

その分そのお金は税金や保険料から来ていると思えば、誰でも特養を利用したいと考えるのもわかります。

②長期入所が可能

終の住み処として特養を考えてもいいでしょう。つまり一度入所してしまえば、対処しなくてもいいのがメリットといえます。

③ショートステイも可能

家族が一時的に介護ができないときに、ケアマネージャーを通じて、特養にショートステイできます。

予約が必要ですが、困ったときに頼りになるのが特養のメリットでもあるのです。

・特養のデメリット

特養も良いところばかりではありません。

といっても悪いところではないのですが、デメリットとして以下の点が挙げられます。

入所が狭き門

「入所できない」というのは、入所希望者が多く入所が狭き門であるためです。

入所時の一時金が不要で月々の料金も格安となれば、誰でも入所したいと考えます。

そのため、入所希望者が多く、特養は常に定員が一杯で入所希望を出しても、すぐには入所できないのです。

一般的に特養の入所待ちは平均で2年から3年といわれています。

待機していてもいつかは順番が巡ってくるのですが、その数年が待てない要介護者も多く、家族の負担も計り知れません。

・全国的には特別養護老人ホームは空きもある

関西や関東の一部ではまだ特別養護老人ホームの空きがあるようですので、こちらでもご確認ください。

★特別養護老人ホームの空き状況はこちらから★

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「施設選別」にて特別養護老人ホームを選択すれば現在空きのある特別養護老人ホームがわかります。

特養の一番の問題点が「なかなか入れない」という点にあるのです。

●特養の入所判定基準は?

特養は要介護度認定が、原則として要介護度3以上と定められています。

これは、2015年4月から入所基準が定められました。入所希望者が多く、優先順位を上げたということなのですが、高齢者の人数が増え、それに伴って要介護度認定が上がる人も増えているので、特養への入所難易度は相変わらず高いと考えていいでしょう。

また、要介護度認定も3以上はなかなか出なくなったという昨今の事情もあり、特養への入所については、要介護度認定で3の認定を受けることが先決となっているのです。

●要介護度3とはどのような状態?

要介護度3が特養入所への条件となるのですが、要介護度3というのはどういった状態なのでしょうか。以下、できないことを箇条書きにしてみます。

・身の回りのことが自分でできない
・自分で立ち上がることができない、立ったときに片足立ちができない
・歩行が困難、立位保持が自分でできないときがある
・排せつが自分でできない
・理解力の低下

上記について、自分でできないということは、何らかの介助が必ず必要ということです。

要介護2,3,4については線引きが難しいところがあるのですが、要介護2については介助をすればほとんどのことはできる、要介護3は必ず介助が必要、要介護4はほとんどのことが自分でできないという区分けになります。

客観的に判断されるものですが、人の目による判断もあるので主観的な面も出てくる場合もあります。

●要介護度の変更はできる?

要介護度認定について不服のある場合、要介護度の変更はできるのでしょうか。

要介護2の認定を受けると、ほぼ特養への入所の道は絶たれたといっていいでしょう。

間近で高齢者を見ている家族としては、要介護度認定については、不満の出るときも少なくありません。要介護度の変更ができるケースを調べてみました。

・要介護認定の変更

要介護認定を受けてもその結果が不満となる場合も少なくありません。

できるできないという基本動作は目で見て判断できるのですが、認知機能の度合いというのは、主観的な判断になりがちです。

また、昨今では高齢者の増加から、介護認定が厳しくなっているので、思ったような介護認定にならない場合があるのです。

介護認定に不満のある場合は以下の処置ができます。

①市区町村の介護保険課認定審査係に相談

思いがけず軽い要介護認定が出た場合、要介護認定の「区分変更の申請」や不服申し立てができるのですが、その前にまずは相談してみましょう。

認定に納得できないということをまずは口頭でアピールしておくのです。

窓口は、市区町村の介護保険課認定審査係です。認定結果の内容の再確認と相談をまずはするのです。

そこで、窓口のほうで「再考する」という答えは出ないので、まずは相談するという形です。

そのときに、不満があれば、要介護認定の「区分変更の申請」や不服申し立てができるといった説明を受けることができるでしょう。

②不服申し立て

要介護度の認定が要介護者の状態と違うと思った場合、介護認定が下りてから60日以内に市区町村の介護保険の担当課に不服申し立ての申請をすることができます。

これは、再度介護認定を行ってもらう方法です。再度結果が出るまでには、かなりの時間(数ヶ月)かかり、望む結果が出るとは限りません。そのため、不服申し立ては少ない傾向にあるようです。

③要介護認定の「区分変更の申請」

不服申し立てよりも、こちらの区分変更の申請のほうが多い傾向にあります。

変更申請は、30日くらいで新しい結果が出るので時間短縮にもなります。

同じ結果になることが多いのですが、区分変更の申請を行うのは、認定に対する不満ではなく、「介護認定を受けてから、その後さらに状態が悪化した」ということで、再度現状に合った認定をしてもらいたいという理由からです。

不服申し立てとはまったく意味合いが違いますが、求めるところは一緒なのでこちらのほうがおすすめとなるのです。

要介護度の変更ができるかというと、区分変更の申請にかかっているのですが、認定を受けてから、明らかに介護が必要なことが増えたと思えば、積極的に要介護認定の「区分変更の申請」を行うようにするといいでしょう。

●特養に空きがない場合はどうすればいい?

月々の利用料金が安く、人気の特養は常に入所待ちの状態が続いています。

特養にすぐに入りたいけど…そのような場合はどうしたらいいのでしょうか。以下にまとめてみました。

①空き待ち

これは順番待ちという意味です。現在の平均待機期間は2年から3年といわれています。

特養に入りたい人は、自分の順番が来るまでひたすら待ち続けるということです。

②地方の特養に申し込む

都心部と比べて地方の特養の入所待ちは少ない傾向にあります。

現住所が管轄内という制限のあるところもありますが、親戚などを頼って住所変更をして申し込みを行うという方法をとることもできます。

③要介護度の区分変更の申請を行う

要介護度の高い人が特養への入所が優先されます。

現在が要介護3でしたら、要介護度の区分変更の申請を行って再認定をしてもらうといいでしょう。要介護度が上がると待機待ちが早まるでしょう。

④有料老人ホームに入所する

費用はかかりますが、特養よりもサービス面が充実している有料老人ホームに入所する方法があります。

⑤介護サービスをフル活用

入所待ちの間は介護サービスをフル活用します。

これによって、介護スタッフから有用な情報を得ることができる場合がありますし、待機中に認知機能の低下が進むなりして、要介護度が上がる場合も介護スタッフからいろいろなアドバイスを受けることができるでしょう。

待機期間が長くなるとその間に、身体の衰えが進むなどして介護度が上がる場合があります。

そのため平均待機期間よりも入所が早まる場合もあります。

いずれにしても、入所したいと思ってもすぐに入ることができないのが特養の特徴と言えます。

待機期間を考えながら介護を続けていくというのが基本的なスタンスになるでしょう。

※一部ではまだ特別養護老人ホームの空きがあるようですので、こちらでもご確認ください。

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●まとめ

2015年に特養への入所基準が厳しくなり、要介護1で申し込みができたのが、原則として要介護3まで引き上げられました。

そのため、特養への入所を断念する人も現れ、入所待ち数が一時的に減少していましたが、現在の全国都道府県別の平均入所待ち数は100人から200人程度とされています。

これが多いか少ないかは判断の分かれるところですが、終身(亡くなるまで)入所を考えるとかなり先が長く感じます。

対策としては、安価で入所できる特養のような施設をたくさん作ることが大切ですが、介護スタッフもそれに合わせて増やしていかなければならず、抜本的な解決は図れなければ難しい状況はしばらく続きそうです。

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