介護の際の便臭を簡単に減らす方法は?

介護するときの便臭が気になるという人は少なくないと思います。

介護につきものの排せつの処理には、便臭がついて回るものです。

これがなければもっと快適な介護ができるのに…ということでここでは便臭を解決する方法を詳しく紹介します。

気になる介護の時の便臭

排せつ物の臭い(便臭)はときに耐えがたく鼻についてくるものです。

高齢者にとっても、排せつ物の処理については恥ずかしさが先にきてしまうことでしょう。

そこに鼻につく便臭が加わってしまうと、気持ちも落ち気味になってしまうのです。

介護する側としては、そのような気持ちを高齢者に持たせないように配慮しなくてはいけません。

それでも、気になる便臭は介護をするモチベーションの低下にもつながることもあります。

介護をしている人は、どのようにして便臭を克服しているのでしょうか。

介護する側もされる側もストレスに

介護の排せつ物の処理、便臭は表立っては話題にしにくいものです。

排せつ物の処理については、介護される側も介護をする側にとっても、大きなストレスになるのは間違いないからです。

介護する側は、「慣れてしまえばこっちのもの」と考えるようですが、それでも鼻に入ってくる便臭は慣れても臭うものは臭うでしょう。

便臭が苦手で介護がおろそかになるということも、ときどき聞こえてきます。

そういった態度が高齢者には敏感に伝わるものですし、それが認知機能の低下を進行させることもあるのです。

・気になる便臭についてこんな声も…

親の介護をしている50代女性の介護体験談

「オムツをするようになって多少は落ち着いたのですが、最初の頃はトイレの失敗があってその処理が大変でした。

大半はトイレが間に合わなくて、もらしてしまうのです。

床ならまだしも、畳の上などは臭いが染みついてなかなか取れずに大変でした。

介護うつになったのはそのときで、思ってはいけないことですが、『いなくなってしまえば、こんなこともしなくて済むのに』と思ったことも一度や二度ではなかったのです。」

私の場合、便臭のきつさに食欲がわかずに、体重が激減しました。肥満解消には良いのかもしれませんが、体力も落ちるのですから、何をするにも気力がわかず、それでも介護は待ったなしです。

相当追い詰められました。

今もそれが克服できていないのですが、訪問介護サービスを週に3回利用しているので、それでなんとか排泄ケアの負担が軽減されています。

介護スタッフの手際のよい処置を見ているのも勉強になりますし、なんとかモチベーションを維持できています。

それでも、老人ホームへの入所をこれから真剣に考えないと、と思っています。」

~引用終了~

どれだけ介護に慣れても、便臭だけは慣れないという人も少なくありません。

排せつケアは本能的に嫌悪感を覚えてしまうので、介護ケアの中でもやりがいを感じにくいものです。

また、高齢者の場合、便臭もきつくなるのでなおさら介護の負担になってしまうのです。

●便臭を抑える工夫

便臭によるストレスは、介護する側、される側双方にとって重くのしかかります。

食欲の低下や行動意欲の低下、さらには睡眠の妨げになるのです。

介護者と要介護者の関係でも、会話がなくなるなど悪影響が出ることもあります。

問題の元となるのは便臭だけではないのですが、それでも、便臭を抑える工夫もおろそかにはできません。便臭を抑える方法などを紹介します。

・換気をよくする

基本的なことですが、部屋に臭いがこもってしまわないようにしましょう。

冬の寒いときでも、それまで部屋が暖まっていたのでしたら、急激に冷えることはないので積極的に外の空気を入れるようにします。

換気扇のある部屋で介護をするのもいいでしょう。

「そのときの臭いがきついんだから…」という声も聞こえてきそうですが、部屋に充満している臭いを事前に取っておくことは、よりよい介護を行うための基本といえます。

・消臭剤

 

根本的な対策にはならないのですが、即効性は抜群です。

とりあえず便臭をなんとかしたいというときは、消臭剤の即効性に勝るものはないといっていいでしょう。

便臭さえなんとかなれば、取り替えることはできるというときは、消臭剤が効力を発揮してくれるはずです。

・オムツを活用する

オムツ自体に消臭剤が含まれていることもあり、かなり有効です。

オムツ交換のときの臭い対策には悩まされますが、使い捨てタイプですから、すぐに捨てることができますし、おしりを拭くときはそれなりに臭うのですが、オムツを活用することでかなりの便臭対策になるのは間違いありません。

・防水シーツ

臭い対策ということにはならないのですが、布団にも臭いが染みついてしまうのでそれを避けるためにも、防水シーツは介護の世界ではよく使われています。

防水シーツは複数枚用意しておいて、あとはシーツのみ洗って交換というのが基本的な使い方です。

基本的に便臭を抑えるための応急処置的なものが多いのですが、便臭サプリ以外は即効性のあるものが多く、便臭を感じる時間をより短時間にすることで、便臭に対するストレスを軽減することにも役立つでしょう。

●便臭を抑える食事

便臭を抑えるためには内からの効果的な方法があります。

それは便臭を抑える食事です。ここでいくつか紹介します。

・ココア

便臭の改善にココアが効果的です。ただし、ココアは栄養価が高いので脂肪も増えてしまいます。

飲み過ぎは高齢者には良くないので、一日一杯程度にします。

それでも十分に効果はあります。ココアに含まれるリグニンという成分が腸のぜん動運動を活発化させます。ココアを飲むタイミングとしては食前の空腹時がいいでしょう。

一日に一回ということでしたら、朝食と夕食のどちらか都合のよい方でかまいません。

空腹時に飲むことが大切で、排便を促すことができ、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できるからです。

それによって腸内環境の悪化も予防することができます。

・肉より魚

高齢者にもタンパク質は当然必要です。しかし、同じタンパク質を取るなら動物の肉よりも魚を食べるようにこころがけましょう。

便の臭いが全く違ってくることに気がつくはずです。腸の働きを活発にさせる、乳酸菌や緑黄色野菜も効果的です。

・食物繊維を多くとる

高齢者は食事をしっかりとっていても、消化器系の働きが弱くなっているので、どうしても便が出にくくなります。そうなると、便数もかなりきつくなるのです。

そのため、できるだけ毎日排せつできるように、食物繊維の多い食事を心がけるようにしたらいいでしょう。

ゴボウなどは典型的ですが、かみにくいのでできるだけ、ゆがいて柔らかくして食べてもらうようにしましょう。

・大根おろし

大根おろしには、消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれています。

消化を助けてくれるものですし、大根おろし自体が噛まずに飲みほせる食べ物ですから口に入れやすいといったメリットもあります。

大根の辛み成分が腸内の腐敗を防ぐ働きがあることも見逃せません。

●その他便臭を抑える方法

便臭を抑える方法を探ってきましたが、基本的な部分で考えてみます。

・消化の良いものを食べる

とかく、高齢者の食事となると栄養化の高いものバランスの優れたものをとりがちです。

悪いことではありません。その中でも消化の良いものをとるようにしましょう。

また、できるだけやわらかくして食べやすくすることも大切です。腸内に長くとどまることで、それだけ、腸内にガスがたまってしまいます。

なるべく良く噛んでもらうこと、噛めないようでしたらできるだけやわらかく調理するようにするといいでしょう。

・便の色

良い状態の便の色は、黄金~茶色といわれています。便ですから臭いがあるのは当然ですが、便の色は高齢者の介護では気にしなくてはいけないところです。

黄金~茶色の便以外では、赤とか黒、または白っぽい便でしたら、何か食べるものに問題があると考えざるをえません。

これらの便の色のときはかかりつけやケアマネージャーに相談するといいでしょう。

●まとめ

介護はとかくストレスのたまるものですが、誰もが家族介護ですら避けたいと思うのが便臭です。

俗に「下の世話」と呼んでいますが、デリケートな部分であり、介護するほうも介護される側も気を遣う部分でもあります。

さらに便臭ということが重なるのですから、双方にストレスがたまるのも無理はありません。

ここから、高齢者に対する虐待、さらには介護うつということも出てくるのです。

介護される高齢者も、気にするあまりに便が出にくくなったり、食事量が少なくなったりするケースもあります。

便臭の悩みはなかなか口に出せないものですが、介護をするには避けて通れないところもあり、便臭の克服が介護を克服することでもあります。

しかし、自分で全て行うには限界を感じることもあるでしょう。

そこは、介護サービスをしっかり利用することで、介護する側の負担を少しでも軽くするように心がけていきましょう。

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