サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容とは?

さまざまな介護施設があり、入所を考えている人にとってどの介護施設がいいのか悩むところです。

費用面もそうですし、入所してからの生活も気になります。

そのような中で一つの選択肢となるのがサービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)です。

●サ高住とは?

まだまだ自分で十分に生活ができる、自活することができるという高齢者にとって、それでも日々の生活をもっと便利にしたいと思う人は少なくありません。

有料老人ホームは、主に要介護度が高い高齢者が入所する介護施設であり、それと対極にあるのがサ高住といってもいいでしょう。

サ高住は主に介護認定がなく自立できる高齢者、あるいは軽度の要介護度の高齢者が入所するところです。

国が提唱する「地域包括ケアシステム」拡充の施策として2011年に創設された新しいものです。

普及の促進のために、サービス付き高齢者向け住宅協会さらには高齢者住宅推進機構といった組織が、サ高住の促進のために活動しています。

「サービス付き」と書かれていても、賃貸物件の契約だけのものもあります。(それでも、バリアフリーなど介護サービスを受けやすい物件になっています。)訪問介護など外部の介護サービスなどは個別に契約する必要があります。

●サ高住の良いところは?

サ高住の良いところを以下に特徴とともに示します。

・高齢を理由に断られることがない

高齢者にとって住居を変わるときは、高齢を理由に入居が断られる場合があります。しかし、同じ賃貸物件でも、サ高住は高齢者の入居を対象としているので、高齢を理由に断られることはもちろんありません。※高齢以外の入居条件があります。

・高齢者が住みやすい設計

サ高住の建物はバリアフリー対応となっていて、規定として個室は25㎡以上・廊下幅78㎝となっています。

・介護の有資格者が常駐
日中は、介護の有資格者が常駐し、安否確認や生活相談サービスなどを提供しています。

・生活が自由

普通の生活ができます。外出も自由ですし、旅行もできます。

老人ホームと比べて生活を束縛するようなものはありません。

また、台所もお風呂もトイレもありますし、これらは一般的な住宅と変わりません、そして高齢者向けに手すりなどあらゆる配慮が行き届いた作りとなっているのです。

サ高住の入居の条件は?

入居条件は60歳以上の高齢者、あるいは要介護者認定を受けた60歳未満の人です。要介護度については、軽度とされていて一般的に自立して生活できる高齢者が条件です。

同居する配偶者も同条件となりますが、それ以外でも、特別な理由により同居させる必要がある場合も入居が可能です。

※サ高住には、ここで主に説明している一般型の他に介護型のサ高住もあります。介護型の場合は要介護度に関係なく入居が可能となっています。サ高住でも特別な形態なのでここでは、特に説明していません。

・サ高住の費用について

入居費用(敷金)として、家賃の2ヵ月から5ヵ月分が必要です。

月額費用(家賃)は、10万円から30万円です。月額費用についてはサービス内容によって異なります。

新しい住宅が多いので、地方でも10万円を切るところはないようです。都市部では当然家賃が高くなり、都心になると30万円近く、あるいはそれ以上の家賃になるところもあります。

そのため、一般的な賃貸住宅よりもサ高住のほうが割高になっていると考えたほうがいいです(高齢者向けに配慮した作りとなっているため)。

●サ高住のサービス内容とは?

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)ですから、そのサービス内容も気になるところです。

それでも、サ高住では介護サービスは一切付きません(一般型の場合)。そのため、サ高住のサービスというのは以下のものとなります。

・見守りサービス

見守りサービスは、「安否確認」が主となります。

サ高住の介護職員が定期的に施設内を巡回します。各戸を訪問することによって、定期的に安否を確認するサービスを行っています。

基本的には自立で生活できる高齢者が入居するサ高住ですが、突然のトラブルなどの備えとしては大きな特徴と言えるでしょう。

何かあれば、家族への連絡もしてくれるので、家族も安心して入居を勧めることができます。

・生活相談サービス

生活相談サービスは、入居者に対して全般的な生活のサポートを行います。

契約内容によっては、買い物の代行や家族への連絡などを行います。また病院への付き添いを行う場合もあります。

※サ高住(一般型)には介護サービスはありません。必要な場合、外部の介護サービスを利用しなくてはいけません。

●サ高住の食事について

食事についてはさまざまです。設備としてキッチンが備え付けてあるので自炊が一般的です。

一方で必要な人には、食事宅配といった食事提供サービスを個別に契約することもできます。

サ高住として食事を提供するサービスはしていません。自炊か宅配かのいずれかとなります。

●サ高住の問題点は?

サービス付きということで、サ高住には介護サービス有りと思っている人も少なくないようです。

サ高住は介護スタッフが常駐していますが、介護サービスを受けるには個別に介護サービスの契約が必要です。

あくまでも、サ高住は「見守りサービス」「生活相談サービス」が付いた賃貸住宅と考えなくてはいけません。

そのため、認知機能の低下が進み要介護度が上がってくると、そのまま在宅介護となるか有料老人ホームや特養に入所するかといった決断を迫られることになります。

在宅介護をするにしても、要介護度が上がるとサ高住を退去するのが一般的です。

そのため、終の住処と考えてサ高住に入ることはできないと考えたほうがいいでしょう。
※サ高住の中でも特定施設として「介護型」の指定を受けているところもあります。その分初期費用や月額費用が高くなります。

・家賃が高い

賃貸住宅として考えた場合、一般的な賃貸住宅よりも家賃が高いことがあげられます。これは、サービス付きであること、さらには高齢者に限った住宅(一般向けではない)だからです。比較的新しい建物なので家賃も10万円を下ることはないようです。

●サ高住で就寝介護は可能?

一般のサ高住は終の住処として住むことはないので、基本的に最後まで住み続けることは難しいと考えたほうがいいでしょう。

それは、要介護度が進むとサ高住に住むことは難しく、中には契約で出ていくことを決められているサ高住もあります。

要介護度が進めば将来的には有料老人ホームや特養(終身介護のできるところ)への入所となります。

●まとめ
介護施設など有料老人ホームに入らなくても、現在の生活様式に多少の不安を感じている人も少なくありません。

特にマンション住まいをしている人、他の賃貸住宅に住んでいる人でしたら、老人ホームに入所するまえの「つなぎ」の住まいとしてサ高住を考える人もいるようです。

老後の生活にはさまざまな選択肢があり、どのような生活を送るのかは人それぞれです。

選択肢があると悩んでしまいがちですが、まずは自分の体の状態をしっかりと考えたほうがいいでしょう。

先々のことを考える中で、サ高住はより魅力的な生活に感じることができるはずです。

まずは、サ高住を見学し、さらには有料老人ホームなども見学して、それぞれ十分な説明を聞いてみることが大切です。

現在の生活でぎりぎりまで在宅介護を受けるのか、自立できるうちはサ高住に入居するのか、自分に合った適切なライフスタイルを考えるようにしたいものです。

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