年金受給中でも生活保護を合わせて受給できる?

Q:遠方に一人で住む父親が、高齢と体の衰えのために介護が必要となりましたが、貯蓄もなく国民年金のため年金が非常に少なく、生活がままならなくなっています。

私たち夫婦も現在失業中のため父に対して経済的支援はなかなかできません。

知り合いからは生活保護の申請を勧められましたが、生活保護はなかなか審査が通らないと聞きましたが年金を受けながら生活保護を受けることができるのでしょうか?またいずれ介護施設への入居も検討しています。

生活保護を受けながら老人ホームに入ることは可能でしょうか?

年金受給者も生活保護は要件を満たしていればもらえる

国民年金の方や年金の受給額が少ない方の中で生活保護の受給を希望する方がここ数年で急激に増えています。

生活保護は以下にある要件を満たすことができれば受けることができますので一度要介護者の住むエリアの市役所の生活福祉課などで相談してみましょう。

また生活保護を受給している人でも特養や有料老人ホームなどの介護施設に入ることは可能です。

最近はケースワーカーの方から要介護者に対して生活保護を受けることを打診されることも珍しくないほどです。

ちなみにあまり知られていませんが年金を受けながら生活保護を受給することは可能です。

もちろん年金の額が多ければ生活保護は受けることができませんが、以下の場合に該当する方は生活保護を受けられる可能性があります。

生活保護を受けられる要件

  • 働くことができない
  • 親族から援助を受けることができない
  • 年金などのほかの制度を利用しても生活することができない
  • 預貯金、株式などの金融商品、土地不動産、生命保険、自動車などの資産がない

※生活保護費はあくまで働くことができない人が受給可能なので、最初は高齢者であってもシルバー人材センターなどを活用して働くことが求められます。

生活保護を受給してる人も有料老人ホームに入れる

また、要介護度が上がり、老人ホームに入る必要があると認められた場合、老人ホームへの入居も可能です。

本来は特別養護老人ホームなどの費用の安い老人ホームへの入居をケースワーカーなどから勧められることが多かったのですが、現在では特別養護老人ホームは現在空きがほとんどなく、さらに要介護度が3以上の人でないと入れないため(特例を除く)ケースによっては有料老人ホームなどの入居も勧められるようです。

有料老人ホーム側も最近は生活保護受給者の受け入れを可能としてるホームも増えており、ホームによっては月額費用の減額なども行ってくれる場合があります。

原則生活保護だからといって有料老人ホームに入れない決まりはないので一度有料老人ホームなどへの入居も検討してみましょう。

詳しくはこちらもご参考ください

生活保護受給中で有料老人ホームに入れる?

生活保護は毎月いくらもらえるの?

ではこの生活保護費は毎月いくらもらえるのでしょうか?

高齢者単身世帯で年金などを含む収入が0円の場合

生活扶助1類+生活扶助2類 約7万5千円 +住宅扶助 約5万円

約12万5千円が受給額となります。

障害などがある方はこれらにさらに加算が付きます。

一見一人暮らしで12万5千円だと少ないようですが、これらの受給額以外にも介護サービスの自己負担額の免除などがあります。

また、生活保護を受け入れてる有料老人ホームの場合この金額で入居が可能で一時入居金も必要ないホームもあります。

老人ホームというと高いイメージをお持ちの方が多いのですが、最近は費用の安い有料老人ホームも増えてきています。

年金と生活保護費は併用して受給可能

高齢者の中には「年金をもらっていると生活保護が受けれない」と思われてる方も多いのですが、そんなことはありません。

年金をもらってる場合、年金受給額が最低生活費を下回っているとその差額分が「生活保護費」として支給されます。

最低生活費とは厚生労働省が定める基準で計算されるもので、地域によって異なるのでお住まいの地域の生活保護担当に問い合わせてみましょう。

年金受給者の場合の生活保護費の計算

仮にその地域の最低生活費が12.5万円の場合、

7万円(年金)-12.5万円(最低生活費)=-5.5万円
つまり5.5万円が生活保護費として支給されます。

どのくらいで受給できるようになるの?

社会福祉課に相談し、必要書類を提出・申請後福祉事務所の職員の調査(家庭訪問)があり、その調査後2~1か月ほどで審査の結果が郵送で送られてきます。

年金と生活保護を合わせて受給するには?

生活保護の受給については地域の市役所または福祉事務所に相談に行きましょう。

その後福祉事務所に生活保護申請の書類を提出し、一か月ほどの審査の後、受給されるかどうかが決まります。

その際、生活が困窮してることを福祉事務所に伝え、生活が困窮してる証拠(年金額が記された書類や通帳など)も持っていくと審査もスムーズにいきやすくなります。

ただし、申請したからといって必ず生活保護が受給できるとは限りません。

あくまで最終判断は福祉事務所が決定します。

 

まとめ

生活保護費を受給することで年金がなくなってしまうと考えてる方が多いのですが、その差額分の年金を受け取ることも可能です。

また、生活保護でも有料老人ホームは入居できますし、経済的に厳しい場合は老人ホームをはじめとした介護施設への入居も検討しましょう。

毎年生活保護の受給者が増加したことがニュースになりますが、主な原因は一人暮らしの高齢者の受給者が増えてることが理由として挙げられます。

特に貯蓄が少なく、国民年金だけでは生活できないという人は増えており、今後も高齢者の生活保護受給者は増えていくもののとみられます。

年金だけの暮らしでは生活が困難な場合や老人ホームへの入居が難しい場合は国の支援で生活保護を申請してみるのも一つの手かもしれません。

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