サ高住で事故が起きる原因は?サ高住の意外な問題点

Q:両親がこの度サ高住に住むことを検討してる最中だったのですが、「サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)で高齢者の事故が多発した」ということが過去新聞などで記載されたことを知り、ややサ高住への入居に慎重になっています。

安否確認などがされているはずの施設なので事故対策ができており、安全だと思っていたのですが、サ高住に住むのは実際のところ危険なのでしょうか?

なぜサ高住で事故が起きる?

サ高住は高齢者向けの賃貸住宅で老人ホームなどの介護施設とはやや異なり、高齢者が自立した生活を送れるために作られた施設です。

施設内はバリアフリー対応が基本で、居室の床面積は25平米以上(共有のリビングや台所があれば18平米以上でも可)と定められており、さらに「1日1回の安否確認」「生活相談サービス」が義務付けられており、一般の住宅より高齢者にとって安全な居住空間といわれています。

サ高住に入居する人や入居をこれから希望される方にとってはバリアフリー対策がしっかりしていて一日1回の安否確認が行われているので、事故なんてありえないのでは?という思われるのも無理はありません。

しかしとサ高住はあることが原因で事故が起きやすい環境になってしまうこともあるので注意が必要です。

サ高住で事故が起きる意外な問題点とは?

2017年にサ高住で起きた高齢者の事故が、わずか一年半で3362件あったということが朝日新聞に掲載され話題になりました。

安全とされるサ高住ですが、朝日新聞の調査によるとサ高住は入居者の88%が要介護認定を受けてる方で、さらに要介護3以上の重度者は30%にもなるとされています。

これに対し、サ高住の人員の基準はヘルパーなどの有資格者が少なくとも1人が概ね9時から17時に常駐する必要があるとされています。

ほかの特養や介護付き有料老人ホームと比べると、サ高住は国の基準は満たしているとしても、既定の最低人数だけでは介護が必要と認定されてる方への対応は安全とは言えない場合もあります。

さらにサ高住は夜間は緊急通報システムがあれば職員は常駐しなくてもよいことになっているため、施設によっては夜間はだれもいないことがあります

もちろんなにかあった場合はすぐに駆け付けてくれるシステムになっていますが、前述の朝日新聞の調査によると事故は全体の三分の一程度は午後5時~翌日午前9時までの職員がいない時間に起こっています。

プライバシー重視がサ高住の事故の原因?

サ高住は有料老人ホームなどのように介護サービスが付く「施設系」とは違い、住宅としての機能を提供する「住宅系」の介護施設であり、有料老人ホームなどと違ってプライバシーを重視しています。

従来元気なシニア向け住宅としてサ高住は国土交通省や厚生労働省が支援し普及しましたが、現在では80代の方が入居者の多くを絞めており、入居当時は元気で認知機能低下が軽度だった方も数年で認知機能低下が進んでしまうことも珍しくありません。

そもそも要介護者でなくとも高齢者になれば普段は問題がないように見えてもなんらかの持病があったり、運動機能が衰えているためどれだけバリアフリーが対策されてるとはいえ、転倒や万が一の体調急変のリスクが全くないわけではありません。

また高齢者の事故で多い入浴中の転倒やヒートショック対策も注意が必要です。

いくら安全面に配慮してるとはいえ、有料老人ホームのようにいつでもスタッフが危険にすぐ気が付きやすい施設型とは違って、プライバシーの観点からわかりづらい部分がどうしても出てきてしまうのがサ高住の問題点といえるでしょう。

サ高住に対する不満の声

当サイトでは実際にサ高住に住まれてる方やその家族にアンケートを実施し、サ高住で起きた事故や問題点について回答していただきました。

ケース1:何も対応が出来ないことは不安材料

サ高住は、基本的に夜は専門的な支援ができるスタッフがいないため、不測の事態が発生した際の対応に不安がありました。夜中にお腹が痛くなってしまったが、資格を持った従事者がいないため救急車を呼ぶことになりました。幸い命には別状はなかったものの、何も対応が出来ないことは不安材料として残りました。それと元気な方が多いので禁止されているお酒を持込み暴れる入居者がいたことも不安の一つでした。外出が自由であり干渉しないと言う事が裏目に出た結果だと思っています。

ケース2:祖母が夜中に倒れてしまって

祖母が夜中に倒れてしまって、朝になって気づかれ、そのまま入院したということもありました。その件はその後部屋に監視カメラをつけてもらい、解決をしました。
他には、アパートのようにそれぞれが住んでいるので、掃除なども自分達でしなくてはいけなく、母が毎日のように通って掃除をしていました。また、あまりにも容態が悪化し歩けない。などのレベルになると居ることができなくなってしまいます。お風呂なども、ついてきて少し手を差し伸べてくれるくらいはしてくれるようなのですが、一人で入れないというレベルまでいくと、やはりサ高住ではスタッフが直接介護しないので、対応できないようです。

ケース3:そこまで負担は減りませんでした

スタッフがいるからといっても全て任せきりというわけではなく、ちょっとした事でしょっちゅう電話がかかってきます。
うちがお願いしてるところは病院には連れて行ってはくれないので病院の際は家族が行かないといけません。
ちょっとした変化ですぐ病院に行った方がいいと勧める電話があります。

細かいところまでよく見てくれているからそうして変化に気づき連絡が出来ると思うのですが、家族にかかってくる手間というのは案外あり、せっかくこうしたところに入れたのにそこまで負担は減りませんでした。

ケース4:夜間に何かあっても本人だけでは対処出来ない

やはり1番サ高住に入ってから心配だったのは夜間でした。日中はスタッフさんが常駐しているので私も安心して仕事に専念できるのですが、夜間に関してはスタッフさんが手薄になるので、何かあった時には連絡が取れないのではと心配です。

実際にそういった事が現実にあったこともありました。

また、父親は少し体も不自由になって来ているので特に心配なのです。もし、突然夜間に何かあっても本人だけでは対処出来ないと思いますので。

サ高住の事故や問題点の対策は?

もちろんこれはすべてのサ高住に当てはまることではありません。夜間の職員配置を徹底してる施設も多く、万が一の時の対応の訓練などを徹底してる施設も多くあります。

しかし、一部では対応ができてないサ高住もあるのです。

もし施設側が対応を改善しない、サ高住があまり対応がよくない場合は有料老人ホームへの入居も検討すべきです。

有料老人ホームの検討も視野に

有料老人ホームは入居一時金が高額というイメージを持つ人も多いのですが、実際に調べてみると入居一時金が無料の有料老人ホームも数多くあり、月額費用が低額なホームもたくさん存在します。

しかし認知機能の低下があっても「必要な時だけ職員を利用したい」「部屋の掃除は自分でしたい」とプライバシーを重視した自分流の暮らしを求める入居者が多いのも事実です。

その場合は、有料老人ホームとサービス面で遜色のないサ高住も増えているのでそのような住宅を選ぶこと、そして何かあった場合の対策を入居者と家族がしっかり確認しておくことも大切です。

またスタッフの緊急対応経験の有無や具体的な対応なども確認しておきましょう。

サ高住での事故を避けるために

サ高住は一般の住宅と比べてバリアフリーや緊急時の対策などしっかりできていますが、介護施設よりプライバシーを重視した施設であり、他の介護施設より安否確認の面ではなかなか気が付きにくい問題点もあります。

入居前に施設側に万が一の対応やは夜間の人員配置状況など事前に確認しておきましょう。また入居者にもすぐに人を呼べるかなどあらかじめ家族がしっかり話をしておくことが必要です。

また夜間帯の職員が 介護未経験者ということもあるので、夜間に配置された職員がどの程度緊急時に対応できるかなども事前に確認しておくべきでしょう。

高齢者は事故にあいやすいのは仕方ないことですが、あらかじめ対策しておくことである程度防ぐことは可能です。

家族で入居者にしっかりサ高住の問題点などを話しておくとよいでしょう。

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