格安老人ホームの種類

老人ホームには様々な種類があります。
老人ホームによってサービスなども異なりますが、料金も大きな違いがあります。
老人ホームを探している方の中には料金を最も優先的な条件として考えている方もおり、出来るだけ安いところに入居したい、親を入居させたいと考えている方が多いです。
ここでは、格安で入居できる老人ホームの種類についてご紹介していきます。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、最も安い施設の中の一つです。
(以下、省略して特養とします。)
特養の特徴や入居条件についてご紹介していきます。
特養の種類について
特養の中には、いくつかの種類があります。
その中でも最も安いのは従来型特養ですが、具体的にどのような施設かを紹介します。
①従来型特養
従来型特養の多くは、介護保険が開始される前から建てられている特養です。
なんといっても、その安さが魅力的です。
ただし、昔からある施設なので、部屋が4人部屋だったり、設備等が古く集団生活が基本となっていますので、個別での対応は難しいと言えます。
従来型特養の部屋には多床室と個室があり、個室の場合は料金がやや高くなりますが、多床室の場合で所得が低いと部屋代は必要ありません。
②新型特養
現在建てられている特養のすべては、新型特養です。
その特徴は、ユニットケア型や個室型などがあり、従来型特養に比べるとプライバシーが守られやすく、快適に生活が出来るでしょう。
しかし、料金が高いことが難点です。
新型特養の場合は、従来型特養に比べると30%から50%ほど高いことが多いですので、料金が安いところを希望している方の場合は、選択肢から外すこともあります。
新型特養は全ての施設で高いわけでなく、新型特養の多床室であれば料金もやや安めです。
・減免制度を活用する
特養の利用料金は、人によって違います。
それは、所得によって減免制度を活用しているからです。
市町村に申請をして、減免制度を活用することによって、所得が低ければ利用料金が安くなるのです。
これは、特養以外にも老健なども対象となっています。
ちなみに減免制度が対象となるのは、家賃と食費部分についてです。
介護保険の自己負担分などは減免の対象とはなりませんので注意しておきましょう。
特養を利用するといくらかかる?基準となる料金
減免が効かない場合の費用は、どれぐらいでしょうか?
「食費は、一日1380円」と、どこの特養でも共通に決まっています。
部屋代として、ユニット型個室は一日1970円、ユニット型個室的多床室(パーテーションなどで区切られている)は1640円、従来型個室は1150円、多床室は840円が基準の額です。
平均的な年金収入のある方が、特養に入居した場合の一か月の料金は、食費は41400円、ユニット型個室を利用したの場合の部屋代は59100円となり、合計で100500円が食費と家賃代になります。
これに加えて、介護保険の自己負担分や実費代(レクリエーション代)などが加わりますので、月に18万円前後になることが多いと言われています。
②所得が低くて減免の対象となった場合の料金
減免の第一段階は、最も所得が低い方の段階です。生活保護の方などはこちらに当てはまります。
食費は1日300円、家賃としてユニット型個室は一日820円、ユニット型個室的多床室は490円、従来型個室は320円なので、基準の額に比べるとずいぶん安いことが分かります。
注目すべき部分としては多床室です。多床室の場合は部屋代は必要ありません。0円で利用することが出来ます。
そのため、第一段階で多床室の場合は食費が月に9000円で、それに加えて実費代がかかりますので、8万円前後で利用することが出来るのです。
③特養の減免制度は4段階ある
減免制度は、基準の額も含めると4段階に分かれます。
そのため、所得によって減免がありますので、おおよそ月に8万円前後から18万円前後になります。
特養はこの減免が効くので、所得が低い方にとっては非常に安く利用することが出来るのが特徴的です。
しかし、所得が高い方に関しては、特養は割高であり、もう少し高い金を払って有料老人ホームなどに入居する方が良いサービスを受けれる可能性があります。
減免が何段階なのかは、市役所に自己申請をしないとわかりません。
特養に入居する前でも減免証は発行してもらえますので、気になる方は市役所などに行って確認しましょう。
特養は誰でも入居できるのか?
特養は介護をする施設ですので、要介護認定は必須です。
以前までは要介護1があれば特養に入居することが出来ていましたが、現在では原則として要介護3以上の方でないと入居することが出来なくなりました。
出来るだけ自宅で生活をして、自宅での生活が難しくなったら特養に入居するという流れが出来ているのです。
また、特養は入居希望者の状況に応じて優先順位が定められます。
自宅に介護を行う人がいる場合や、状態的に落ち着いており、在宅介護サービスだけで生活が出来ている方に対しては優先順位が低くなってしまいます。
しかし、独居高齢者や認知機能低下などで常に見守りが必要な方の場合は、緊急性が高いとして優先順位が高くなり、申し込みから入居までは早い傾向にあります。
特養の入居待ちについて
要介護3以上が入居条件になったので、以前よりは特養待ちは解消されてきましたが、人気のある施設に関しては、まだまだ「1年以上待つ」というところも少なくはありません。
人気のある特養としては、綺麗なところや新しいところではなく、料金が安い従来型特養が人気です。
やはり利用料金が安いところの方が、支払いの負担が少なく人気があるのです。
特養は、複数の施設に申し込みをすることが出来ますので、できるだけ早くに入居したいと考えている場合は、複数のところに申し込みをしたり、探すエリアを広げたりしながら早めに入居できるようにしましょう。
★ポイント
従来型特養は、料金が安いがサービスが悪いと言われてきました。
しかし、現在では従来型特養でもサービスの質向上に取り組んでいるところも多く、安かろう悪かろうという時代ではなくなってきました。
反対に、新型でユニット型の特養でも、従来型のようなサービスを提供しているところがありますので、高い料金=良いサービスではありません。
老人保健施設
老人保健施設は老健と呼ばれる施設であり、自宅に戻るまでのつなぎの施設として多くの方が利用しています。
特養と比べると、リハビリに力を入れています。
老健は特養と同じように減免制度を活用することが出来ます。そのため費用としては、特養とそこまで変わりありません。
在宅強化型老健に注意
老健に入居を考えているのであれば、在宅強化型老健に注意しましょう。
在宅強化型老健は一定数以上の方を在宅復帰させた実績が数か月続いていると、通常の老健よりも多くの介護報酬がもらえる仕組みです。
つまり、在宅強化型老健は通常の老健に比べると費用が高い傾向があり、いくら従来型の多床室だったとしても費用が高くなることがありますので注意しておきましょう。
在宅強化型で個室、減免が基準額の場合は月20万円を超えるケースがあります。
しかし、所得が低い方が多床室を利用する場合は、減免制度を利用することで、10万円以下で入居することが出来ます。
老健に入居するためには
老健は入居するためには、特養と同じように介護認定が必要となります。
特養の場合は要介護3以上が必要ですが、老健の場合は要介護1以上あれば入居することが出来て、特養よりもハードルは低いといえます。
しかし、老健の場合は3か月から半年で退去をしなければいけないところも多く、最後の住処として生活が難しい場合もあります。
入居を検討している時点で、どの程度で入居できるのか聞いておくことが必要になります。
★ポイント
老健は特養と比べると、費用面では高くなる傾向にあります。
それは、リハビリなどの体制が整っているからです。
入居しやすいからといって老健に入居するのではなく、リハビリや機能回復のニーズがある場合に老健を選択するようにしましょう。
軽費老人ホーム
軽費老人ホームは、その名の通り安い価格で入居できる老人ホームのことです。
それぞれA型とB型があります。
軽費老人ホームの入居基準
軽費老人ホームへの入居は60歳以上であれば、入居することが出来ます。
特養や老健が65歳以上となっていますが、軽費老人ホームは60歳以上で可能です。
これは、軽費老人ホームが元気な方を対象としているからです。
軽費老人ホームには介護サービスはありません。
身体介護が必要な方は、外部の訪問介護などを使用するか、特養などの施設に入居する方が良いといえます。
軽費老人ホームA型について
軽費老人ホームA型は食事が付いている老人ホームです。
食事を作る必要がありませんが、毎月食費がかかってきます。
東京の軽費老人ホームの費用負担の一例を見てみましょう。
部屋代は20500円、食費は52180円、その他費用(サービス提供日や光熱費など)が55300円として、合計で128610円になります。
軽費老人ホームは自分のことは自分でできるが、一人で生活をする方が不安な場合にお勧めの施設です。
軽費老人ホームB型について
B型の場合は、A型と比べると食事サービスが付いていません。
すべて自分で用意する必要があります。
A型に比べて食費が無くなりますので、75800円で(一例)で入居することが出来ます。
軽費老人ホームで受けれるサービス
軽費老人ホームには介護サービスがありませんが、居室にコールボタンが付いていたり、レクリエーションを提供したり、介護の相談を受け付けてくれるサービスをしています。
元気な高齢者を対象としていますので、介護を提供することはなく、娯楽や相談が主なサービスとなります。
★ポイント
軽費老人ホームは、その費用の安さから人気のある老人ホームです。
しかし、元気な方を対象としていますので、将来的に介護が必要になったときに不安だと感じている方多いです。
軽費老人ホームの中には、特養と併設しているところもあります。
そういったところは、介護が必要になれば優先的に特養で生活が出来るように配慮してくれますので、できるだけ特養が併設しているところを選択することをお勧めします。
まとめ
格安で入居できる老人ホームはあります。
有料老人ホームでも安いところもありますし、グループホームでも生活保護の方を受け入れているところもあります。
格安のサービス付き高齢者向け住宅もできています。
探せば安いところはありますので、値段重視で探している方は是非探してみましょう。