終活年賀状とは?書き方と例文は?
最近はやりの終活、この中で「終活年賀状」も最近見直されています。
終活の一環として、年賀状を終わらせる年賀状であり、今回はその書き方などについて記載しています。
ただ、この終活年賀状ですが、否定的な意見もあり、そちらも考慮したうえで出すことを検討された方がいいと思います。
年賀状の発行枚数は2003年をピークにして年々減少傾向にあるようです。
ネットやスマホの普及で年始の挨拶を簡単に済ませる人が多くなったのが一番の要因とされていますが、高齢者が年賀状を出さないことも要因として挙げられているのです。
●終活年賀状とは?
年賀状の発行枚数のピークは2003年の44億6,000万枚でした。
それが年々発行枚数は減少し、2018年の発行枚数は29億7,800万枚ということですから、ピーク時の実に3分の2までに減少しているのです。
この間、15年の間に若干前年よりも枚数が増えた年(2006年~2008年)もあったのですが、年賀状を書く人は確実に減少しているのが実情です。
・高齢者が年賀状を書かない
高齢者というと、年賀状を書くイメージがあるのですが、実情は逆のようです。老化が進んで書きにくいというのもあるでしょう。
そういった理由も含めてかもしれませんが、「年賀状を今年限りで辞退する」といった旨の文章を書く年賀状を出す高齢者が増えてきているのです。
これがここ数年増えてきた「終活年賀状」です。
・なんのための終活年賀状?
終活ということに意味があり、終活は「自分の人生の終わりに向けての活動」ということです。
そうした終活の一つとして「年賀状を出すのをやめる」という選択をするのです。一般的には、終活の一つとして年賀状は出さない、というよりも年賀状を出すのは今年で最後、という通知をするということになります。
理由の一つとしては、体が動くうちに、あるいは認知機能が低下する前にきちんとした身辺整理をしておきたいという活動の一つと考えてもいいでしょう。
・親しい相手に理解してもらいたい
終活の年賀状を送る相手は、毎年年賀状をやりとりしている人です。そのため、終活の年賀状を出すことで以下のことを理解してもらう狙いがあるのです。
①年賀状を出さない理由を理解してもらいたい
②これまでお世話になったことへのお礼をしっかりと言いたい
③急に年賀状を出さないことを回避するため(年賀状が来ないことで心配をかけたくない)
以上の理由によるものです。
●高齢化だけが理由ではない?終活の年賀状
年賀状の発行枚数がどんどん少なくなっているのは、終活年賀状が一つの要因となっているのは間違いありません。それは、高齢者だけではなく、現役世代にも波及していて、それは主に以下の理由によるものです
・義理で年賀状を書いていた
・1度人間関係を整理したい
・そもそも年賀状を書くのが面倒だ
・相手に気を遣わせたくない
・出していない相手から年賀状が届くと申し訳ない
こうしたことから、高齢者以外でも年賀状の終活宣言をする人も少なくないのです。年賀状を出さなくては…ということでただでさえ忙しい12月がそれだけで憂鬱になる人も多く、終活年賀状で一気に気楽になりたいという人がこれからも増えていきそうです。
●何を書くの?終活年賀状の例文
高齢などを理由に来年から年賀状を送るのを止める…そのために出すのが終活年賀状です。
これまでの、おつきあいを止めるような形になってしまうので、言葉では言いにくいものです。そのため、終活の年賀状(最後の年賀状)を出すこのですが、相手に失礼にならないように、年賀状の内容には細心の注意を払いたいものです。
・終活年賀状の具体的事例
①終活の年賀状例文
謹賀新年
○○様におかれましてはお健やかに新春をお迎えのことと存じます
さて 私も高齢になり 歳を重ねるごとに手足の衰えを感じるようになった次第です
そのため、苦渋の思いですが、毎年の年賀状も今年限りで失礼いたしたいと思います
誠に勝手ではございますが 今後も変わらぬおつきあいのほどお願い申し上げます
令和二年 元旦
②終活の年賀状例文
あけましておめでとうございます
お変わりなく、お元気でお過ごしでしょうか
私も今年で○○(卒寿、米寿など)を迎えます
いつのまにか歳を重ねて高齢となり、今まで通りのお付き合いも難しくなってまいりました
そこで、本年をもちまして年始のご挨拶を辞退したいと存じます
誠に勝手ではございますがなにとぞご容赦ください
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたしております
令和二年 元旦
③終活の年賀状例文
あけましておめでとうございます
毎年いただいておりました年始のご挨拶ですが
私 寄る年波を感じるに至り 誠に勝手ではございますが
今年をもちまして 新年のご挨拶状を最後とさせていただきたいと存じます
今後も変わらぬおつきあいをお願い申し上げるとともに
皆様のご健康とご繁栄を心よりご祈念いたします
令和二年 元旦
④終活の年賀状例文
あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
さて 私もよる年波には勝てず今年で○○歳になります
近年体の衰えを感じ、毎年の年賀状をしたためることも難しくなってまいりました
そこで本年をもちまして 年始のご挨拶状をご遠慮させていただこうと考える次第となりました
向寒のみぎり くれぐれもご自愛なさいますようお祈り申し上げます
令和二年 元旦
⑤終活の年賀状例文
謹賀新年
旧年中は大変お世話になりありがとうございました
さて私も今年で○○歳となります
より年波には勝てず、高齢のため筆をとるのが難しくなってまいりました
そこで平成最後の年となりましたのを機に
年始のご挨拶状もこれで締めくくりといたしたいと存じます
ご無礼をどうかお許しください
とはいえ今後もこれまでどうよう変わらぬお付き合いをいただければ幸いです
皆様のご多幸とご健康をお祈りいたします
令和二年 元旦
●終活年賀状には賛否も
終活年賀状に対して
・合理的だし自分もそうしたい
・形式化した年賀状のやりとりを続けるよりは良さそう
といった好意的な意見が多く、確かに手書きの部分のない年賀状をもらっても…という人が少なくないのは頷けます。
一方で終活年賀状に否定的な意見もあるのです。
・正月早々縁切り状みたいな年賀状をもらうのは不快
・寂しい気持ちになるので、寒中見舞いとして送ってほしい
・フェードアウトのほうがいいのでは?
いろいろな意見があります。喪中のはがきのように事前に「年賀状のやりとりは辞退します」というはがきを出すのも一つの考え方かもしれません。
●時代は変わる
時代の変遷とともに、紙による伝達自体もこれからは過去のものになるかもしれません。
ネットやスマホの普及でコミュニケーション手段が格段に発達している現代においては、週末年賀状といった考え方も必然的なものかもしれません。
また、広く浅くではなく、知り合いとはたまにSNSなどで近況報告をする。そのようなスタンスに生活も変わっていくのが自然な形といえるでしょう。
●まとめ
年末は年賀状を書くことに追われずにゆったりと過ごしたい…これは誰もが思っていることでしょう。
ひょっとすると週末年賀状はこれから、さらに広がっていくかもしれません。