在宅介護を楽にする便利グッズ

介護者の目線で、「あると介護が楽になる便利なグッズ」の数々を今回は紹介します。

介護の大変さは、介護者にしかわからないもので、相手の協力を得られない体位変換や移乗介助などは介護の中でも最難関の部類に入ります。

また、介護者が大変な思いをしているときは、要介護者にも身体的な苦痛、さらには精神的な苦痛が伴うものです。

そのため、介護する側が肉体的にも精神的にも楽になることは、要介護者の負担を軽減することにもつながります。

そこで、介護の専門家が監修している介護グッズ、実際に介護の現場に立つ人に人気の高い介護グッズを紹介します。

在宅介護の便利グッズ

・対面式会話補助具「フィンガーボード」 3,450円

言葉が出なくなった要介護者とコミュニケーションを取るための会話補助具です。要介護者が指を動かせることができることが条件となりますが、指が動かなくても、目で追うこと、介護者が介助することで会話が可能です。

また、耳が遠い要介護者のために、介護者が指で文字を示すことで会話することが可能となります。

声での会話がしづらい場合、さらに指が震えてしまう介護者であっても、なぞるだけではなく、文字穴に指を入れることで何を示しているか容易に判断できます。

慣れてきたら、コミュニケーションのスピードアップにもつながります。大きい割には軽く、持ち運びがしやすいのもメリットといえます。

ワールドパイオニア かきポンくん 簡易筆談器  3,319円

磁気を利用して文字を書くことができるボードです。子ども向けのお絵かきボードを考えるとイメージしやすいです。要介護者とのコミュニケーションを取るグッズとしてとても重宝されていて、個人使用はもちろんですが、介護施設などでも採用されている簡易筆談器です。

普通に会話ができるよう介護者であっても、声を出したくない(出してはいけない)場面がある場合にも重宝します。必要性を感じながらも、ノートとボールペンで筆談をしている介護者も少なくないようですが、一度この筆談器を使うと便利さに手放せなくなるようです。

通常の介護であっても、これが一つあるとどのような状況でもコミュニケーションが取れるという安心感につながります。

・ライフリー パンツタイプ うす型軽快パンツ

LLサイズ 26枚 2回吸収 【一人で歩ける方】 4,480円

介護オムツは介護の基本です。その中でも着脱しやすい介護オムツがいいでしょう。一番いいのは、昔ながらの赤ちゃんが使う布オムツなのですが、この場合はどうしても便臭の問題があります。そのため、覆うタイプの介護オムツが一般的です。腰を浮かすなどの動作が必要になりますが、コツ次第でこれは何とかなる問題です。

便臭を大きくカットすると、臭いがないので気付きにくいのがデメリットという声があります。しかし、便臭があるだけでストレスになることを考えると、介護オムツは臭いをできるだけシャットアウトするものが良いです。そして、定期的にオムツを取り替えることを習慣づけることで、介護に対する苦手意識などがなくなるメリットがあるのです。

・介護ベッド 99,180円 介護保険適用

ここで紹介しているのは、背上げや足上げが同時に行える簡易ベッドです。

1モータータイプのリクライニングベッドです。起き上がりにくい要介護者に起き上がらせて食事を取ってもらうのは大変です。

体位交換ができるリクライニングベッドはかなり重宝します。もちろんオムツの取り換えも楽ですし、介護ベッドがあるだけで介護に対する負担は大幅に削減することができます。

要介護者の状況にもよるのですが、できるだけ早い段階で介護ベッドを用意する良いでしょう。介護ベッドをレンタルしてくれる介護施設もあるようです。自己負担額を抑えることができるので、そういった情報収集も大切です。

特に要介護認定で要介護1以上の人を対象に「福祉用具貸与」という制度があります。「新品を使ってもらいたい…」という場合は購入するしかありませんが、こだわりのない場合は介護ベッドを「福祉用具貸与」という形でレンタルすると、自己負担額を大幅に抑えることができます。

福祉用具貸与は介護サービスに含まれます。そのため介護ベッドのレンタル料が仮に月1万円円とした場合、自己負担額1,000円でのレンタルが可能となります。(所得に応じて自己負担額が2割あるいは3割のケースもあります)

1モーター付きの介護ベッドの相場価格は約10万円ですから、同程度の介護ベッドを「福祉用具貸与」として、5年間レンタルした場合、月々1,000円で5年間のレンタルでもトータル6万円ですから、レンタルのほうがかなり自己負担額を軽減させることができます。

介護保険の適用なので、まずはケアマネージャーに相談することから始めましょう。

サイドテーブル  11,990円

ベッドテーブルあるいはサイドテーブルは、ベッドで食事をとってもらう、読書をしてもらうといったことができるので、介護ベッドと一緒に用意したいものです。寝たきりの要介護者に食事を取ってもらう際には、必須のアイテムといっていいでしょう。360度回転ができること、高さ調節が可能であること、キャスターが固定できなおかつ、隠せるようになっているタイプが便利です。

サイドテーブルについても、「福祉用具貸与」になります。ただし、介護ベッドと一体的に利用される場合に限る、とされることが多いので、サイドテーブル付きの介護ベッドをレンタルする方法が望ましいです。そのため単独での購入については購入時の補助もつかないのが一般的です。詳細についてはケアマネージャーに相談してみるといいでしょう。

介護の身体的負担を軽くするちょっとしたコツ

在宅介護で、介護者の身体的負担を軽くするためには、正しい介護テクニックを身につけることが大切です。介護は力仕事と考えている人が多いのですが、介護を考えるときに、ボディメカニクスという言葉があります。日本語に訳すと「身体力学」ということになります。

介護には肉体的負担が多いとされています。確かに、動く意思のない人を寝返りさせる、引き起こすということも大変な作業になりますし、車いすに移すなどの移乗介助はもっと大変です。ここに苦手意識を持つ人は少なくないのです。そこで、出てくるのがボディメカニクスです。これは、介護の世界では、より効率的に最小の力で介護を行うかに重点を置いています。

もちろん、多少なりとも力は必要になるのですが、基本となるのは、できるだけ介護者が低重心になることです。腰をしっかりと落として、腕力に頼るのではなく、全身の力を使って要介護者の体位変換を行う、移乗介助を行うのです。ですから、常に重心を低くして、全身の力を使うことを意識します。

介護の資格を持っている人でしたら、必須で習うことではあるのですが、ボディメカニクスを活用するしないとでは、介護に対しての身体的負担が大きく違ってくるので是非とも、低重心を意識して、小手先の力に頼らずに全身の力を使うようにして介護に臨みたいものです。

介護の負担を軽くしたい

介護疲れやさらには「介護うつ」という言葉が聞かれるくらい、介護というのは大変な作業です。

ただし、大変さが顔に出てしまっては、要介護者も気を使ってしまいます。

それがたとえ身内であっても、大変さは顔に出さない、いつも笑顔でいることが大切です。

しかし、それがまた介護をする側にとっては、大きなストレスとなってしまうのです。

介護の負担を軽くするにはさまざまな方法があります。

例えば本人の問題であれば、ストレスを抱えないように息抜きや趣味を持つこともいいでしょう。

自分だけで介護の問題を抱え込まないで、家族や親戚の助けを借りるようにすることも大切です。

まとめ

介護者にとって、要介護者の下の世話は大変です。違和感を感じやすくなるのですが、介護ベッドに防水シーツなどを利用するとかなり便利です。

最近の防水シーツも利便性が上がっているので、違和感を感じることなく利用できるものも出てきたようですので、積極的に活用したいものです。

また、介護テクニックが書かれた書籍などもたくさん出ています。

どれも参考になるものばかりですし、介護に行き詰まったときの何らかの助けになることは間違いありません。

また、介護経験者とより多くのコミュニケーションを持つこと、情報収集をすることが肝心です。

介護に対してより多くの経験を積むことが自信となり、介護に対する苦手意識をなくすことはもちろん、ストレスを感じることも少なくなってくるのです。

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