老人ホームの食事内容は?実際のところまずいの?

老人ホームの食事は味が薄く、量も少ない、食材が悪いと思われがちですが、それは間違っています。

老人ホームに入居されている方で何が楽しみなのかといえば食事です。

年齢を重ねても食事に対する意識は変わらないということです。

これから老人ホームへの入居を考えているご家族が多いと思います。

その中でも本人に希望を訪ねると「食事は美味しいところがいい」と答える方が多くいます。

ここでは老人ホームの食事についてご紹介していきます。

老人ホームの食事ってやっぱりまずいの?

老人ホームを探す際に気になるポイントは人それぞれですが、入居希望者に「何を一番気にしている?」と問いかけると「食事」と答える方が多くいます。

老人ホームの食事というと、口コミやイメージでいうと、
・美味しくない、まずい
・安物でいい素材はない
・光物の魚か塩焼き、肉は鶏しか出ない
・給食みたい
・希望は通らない

といった意見が多く寄せられ、入居される方のご家族の方たちから数多く挙がる意見と言えます。

確かに、老人ホームの食事は毎回同じような食事メニューが多いとも思えますし、出される食材も3日に一回は必ず同じものが出てきます。

味付けも濃いものよりは薄味で美味しくないイメージが付きまといます。

実際に味付けも薄味なものが多いので、濃い味の人は最初は合わないかもしれません。

駐在する管理栄養士から言えば「高齢者に合った食事栄養バランスなので当然」と答えますが、果たしてそれが入居者の希望に沿っているかといえば疑問を感じます。

以前はまずいと言われていた老人ホームの食事ですが、最近では施設形態が選べる時代になり、食事もある程度工夫がされたり、入居者の好みの食事を出してくれる施設も増えてきています。

必ずしも食事は「おいしい=良い」ということではない

老人ホームによっては食費によって出される食事にかなりの差が生じることがあります。

わかりやすいのが従来型と高級志向と呼ばれる施設で、月額に費用はかなりの差が生じます。

では、費用に差が生じるからと言って食事の味が変わるのかといえば、確かに高いところはシェフ常駐している処もあり、食事を選べバラエティーに富んだものも多く味も工夫がされ美味しいところもあります。

ですが、高齢者には自身の体に合った食事が必要になりますのでそのあたりも考慮しなければいけません。

なので、体の事を考えれば味もそうですが、栄養成分に気を付けなければいけないのかが重要になります。

食事は確かに老人ホーム選びにおいて優先すべきですが、選べる食事の場合栄養が偏ることもあります。

では一般的な老人ホームの食事はまずいのか?一体どんなメニューが出ているのか?と気になる方も多いでしょう。

実際にどんな食事メニューが出されているのか特別養護老人ホームの例と有料老人ホームの例を出して、さらに食事の費用は一食辺りどのくらいかかっているのか比較してみましょう。

★ポイント
老人ホームは良い生活を目的としていますので、食事は美味しい傾向にあるといわれています。

老人ホームの施設の種類によっての食事の違いは?


近年の施設形態は特養・老健・グループホームに加え、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅が増加し熾烈な競争時代を迎えました。

施設の食事面では、施設の特色を凝らした工夫が目に付くようになり、味の精度や見た目、バランスがかなり強化され、家族側でもこれなら満足できるという声が増えてきました。

そして、費用面でも施設によって差を生じさせることによって、もてなしや力の入れ方を工夫させることで入居者の満足度を得る努力もされています。

ですが、家族の方はあまり施設の献立を見る機会がほとんどありません。

一体どんな食事をしているのか、特養と有料老人ホームの食事についてまとめてみました。

老人ホームの食事の例 特養と有料の違い

それでは、特養と有料では食事のメニューにどのようなメニューが出されているのか見ていきましょう。

特養の食事メニュー(昼食)

・ご飯
・みそ汁
・鶏の醤油こうじ焼き
・もやしの和え物
・漬物
・フルーツ(バナナ)

続いて一般的な有料老人ホームの食事例を挙げてみましょう。

有料老人ホームの食事メニュー(昼食)

・エビピラフ
・コッコバン(鶏肉の赤ワインソース)
・コーンサラダ
・コンソメスープ
・フルーツ

となっています。

見た目は某ファミレスのランチみたいですよね。

見比べてみますと特養よりは有料老人ホームの方がメニューも豊富でやや豪華に仕上がっています

ネーミングもあるかと思いますが、それぞれの献立をどのように決めているのか見ていきましょう。

・特養の食事の決め方

特養ではメニューは管理栄養士が決めます。

一食の栄養バランスを均等に、平均700~800カロリーに仕上げて提供しています。

高齢者の方は高カロリーで引き起こす2次的な体の不調に気を付けるために、必ず緑の野菜を和え物として取り入れたりするので栄養が偏ることがありません。

厨房を常設していますので味もしっかり工夫なされています。

・有料老人ホームの食事の決め方

有料老人ホームは厨房が常設する場所があったりなかったりですが、食事は外部の宅配サービスに委託しているケースがあり、その業者が調理の際に栄養バランス、食事のしやすさ、味などを考慮して作られています。

今回取り上げたケースはバランスも良く、食事費用も特養よりは高い設定なので多少の豪華さもあり華やかに見えます。

有料老人ホームによっては、管理費や生活費の高い施設であればシェフ常駐なんていう施設もあるのでその場合は昼からステーキなってことも夜は寿司の握りなんていうところもあります。

ですが、いくら高級メニューだからと言って味はまた別問題です。

見た目は華やかでも味がまずい場合もあります。見た目に騙されないというところも重要です。

★施設によって食事に対する意識が異なります。しかし、現在の流れとしては調理技術が発展しているので、レトルトでも美味しく、味の質としては全体的に上がっているといえます。

老人ホームの食費はいくらくらい?

食費は施設によって差が大きくなります。

特に今回紹介している特養と有料では大きな差が生じることも稀ではありません。一体どのくらいかかっているのかご紹介していきましょう。

・特養の食事にかかる費用

食費 41.400円
一日 約1.335円(31日計算)
一食当たり 約445円
続いて有料老人ホームを見てみましょう。

・有料老人ホームの食事にかかる費用

食費 97.000円
一日 約3.129円(31日計算)
一食 約1.043円
となっています。

特養と有料の比較ですが一目瞭然で特養の倍近く食費に1か月有料老人ホームはかかるという事です。

民間企業が運営をしているだけに値段が高くなるのは必然です。

食事に関しても同じ事が言えます。

特養のようなバランスのとれたメニューで一食当たりの値段もリーズナブルといえる設定から、シェフや板前が振る舞う高級メニューまで様々です。

★ポイント
高い金額を出せば美味しいものが出てくるというのは常識的にありますが、安い所でも美味しいものが出てくることもあります。
老人ホームにも同じことが言えます。費用が安い特養でも美味しい食事が出てくるケースは非常に多いといえます。

老人ホームの食事が充実しているかどうか選ぶポイント

食事を選ぶポイントとして大事なのは、入居者がいかに食事の時間を楽しんで美味しく召し上がれるかが重要です。

では老人ホームに見学の際どのような部分を見るべきでしょうか。

・メニューが豊富でバランスが良い
・季節感に合わせたメニュー設定をしている
・職員から強要されない
・食事費用も適切な費用設定している

食事は生活の中で一番重要な時間です。

高級有料老人ホームのような場所は特殊ですが、見て楽しむ、食べて楽しむがあります。

費用問題は家族側にありますが、入居者も生活をしているわけで、職員に従っているわけではないので、これから入居をお考えの家族の方に一番伝えたいのは施設で充実した生活を送る上で重要なのは食事だという事です。

 

美味しいから高いからいいというわけではありません。

体に合った、季節にあった、人に合った食事を提供している施設を選ぶという事が重要だという事です。

 

好き嫌いへの対処にしても同じようなことが言えます。

人間誰でも食べ物の好みはあります。

嫌なものは残してしまいます。

そこで、嫌なものを無理やり食べさせる職員がいる施設は良いとも言えません。

臨機応変に職員が対応してくれる施設が一番良いといえます。

残したから工夫して食べさせるのではなく、その人に合わせるという事が重要です。それができる施設は立派な施設と言えます。

★ポイント
料理は味だけではなく、総合的に判断されるものです。
器や雰囲気、職員の対応など様々な要素が組み合わさって始めて「美味しい食事を食べている」という判断が出来るのです。

老人ホームに入居する前に出来ること

経験上言えることですが、入居してから食事について後悔をしてしまいますと、その後の入居者の生活も楽しくなくなってしまいます。

ここでは入居する前に出来ることについてご紹介していきます。

・事前に味を知る方法

老人ホームの食事は入居しないと分からないというケースがります。

しかし、老人ホームが行っているデイサービスやショートステイ、体験入居を利用することによって、入居する前でも味を確かめることが出来ます。

また、そういった場合は3食を毎日、最低でも1週間ほど食べることをお勧めします。

長期間食べることによって本当に美味しいのか、美味しくないのか判断をすることが出来ます。

・味覚障害の可能性も

また、「何を食べても美味しくない」といわれる方もいます。

食事に問題があることもありますが、そういった方の場合味覚障害がある可能性があります。

口腔内をきちんと清潔にしていない、何か疾患を持っているという場合は味覚障害はよく起こりますので、好きなものを食べたとしても美味しくないといわれる方は、受診なども検討しましょう。

・食事に対する考え方を知る

美味しければ良いという物ではありません。

老人ホームの対応についても考えるようにしましょう。

人間誰でも食べ物の好みはあります。嫌なものは残してしまいます。

そこで、嫌なものを無理やり食べさせる職員がいる施設は良いとも言えません。

臨機応変に職員が対応してくれる施設が一番良いといえます。残したから工夫して食べさせるのではなく、その人に合わせるという事が重要です。それができる施設は立派な施設と言えます。

★ポイント
老人ホームに入ると、食事が楽しみになることは非常に多いです。その為、事前に出来ることはしておいて、しっかりと心構えをしておくようにしましょう。

老人ホームの食事はその人に合ってるかが大事

食事は美味しいに越したことがありません。そして高級志向で高いから必ずしも入居者の体に良いという事もありません。

一番重要なのはその人に合った食事を提供してくれて楽しむことができるのが重要だといえます。

最近の施設の食事は、どの施設も工夫を凝らして美味しい食事を提供しています。施設の食事はまずいという口コミも少なくなってきています。

という事は施設側も努力しています。施設を選ぶときに重要なのは美味しい、まずいではなく、その人に合った食事をどれだけ提供してくれるのかが一番のポイントと言えるでしょう。

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