良い老人ホームの選び方とは?専門家が裏技アドバイス

世の中には数多くの老人ホームがありますが、悪いと言われる老人ホーム、良いといわれる老人ホームがありますが、それぞれの場所によって質は異なります。
たくさんある老人ホームですが、一般の人は老人ホームの選び方はなかなか難しいといえます。
入居すればそこで一生過ごすかもしれない老人ホーム、出来るだけ良い老人ホームに入居したいと考えるのが一般的であるといえます。
ここでは専門家として良い老人ホームの選び方、チェックポイントなどについてご紹介していきます。
どこで老人ホームを選べばいいの?
老人ホーム選びをする際は、様々な媒体を通して検索をするかと思います。インターネットや雑誌などが一般ですが、それぞれ他にもどのような選び方があるのでしょうか?
・インターネットで選ぶ
インターネットで老人ホーム選びをすることは、多くの方が実施しています。インターネットは非常に便利であり情報量が多いので便利ですが、情報量が多すぎで年配の方には難しいといえます。
ですのでインターネットになれてない入居者の場合ご家族の方が説明してあげる必要があります。
インターネットの老人ホーム選びのメリットは希望の条件が簡単に見つかることです。
「ペットと住みたい」「終身介護ができる老人ホームが良い」といった希望条件を簡単に見つけることができます。
・雑誌で選ぶ
最近では老人ホーム特集といった雑誌が多く販売されています。
雑誌の場合は出版元がはっきりとしていますので、信頼度はあります。
雑誌の中にはランキング形式で老人ホームを紹介しているところもありますので、見やすく理解もしやすいのですが良い部分ばかりしか書かれてないことが多いので行ってみないとわからないこともあります。
・口コミで選ぶ
もし知り合いの方で老人ホームに入っている方がいるのであれば、是非聞いてみましょう。
老人ホームに親を入れている家族などでも良いでしょう。やはり選ぶ基準として実際に入居している方の情報はある程度信頼できるといえます。
ただし、入居者の感覚である情報が多いので実際に入居してから話が違ったという話はよくあります。
・紹介会社で選ぶ
有料老人ホームを探しているのであれば、是非紹介会社を利用することをお勧めします。紹介会社を通して老人ホームに入居する方も多く、紹介会社は様々な老人ホームの情報を持っています。
紹介して入居した後からもサポートをしていますので、紹介会社が持っている情報は生の声が多いのです。
また、紹介会社も出来るだけ良い老人ホームに入居して欲しいと考えているため(短期解約だと売り上げにならない)、丁寧なケアを受けれる老人ホームを紹介してくれるケースが多いといえます。
紹介会社の利用は無料で利用することが出来ますので、是非一度は利用をしてみることをお勧めします。
★ポイント
様々な媒体がありますが、それぞれメリット、デメリットも把握しておきましょう。最もお金と手間がかからず、情報が豊富なのは紹介会社の利用です。
良い老人ホームのを選ぶために見るべきポイント
良いと呼ばれる老人ホームは、どういったところが良いのでしょうか?良い老人ホームの特徴についてご紹介していきます。
・職員の数が充実しているところ
ここで職員は介護職員、ケアスタッフのことです。
老人ホームでいくら良い取り組みをしていても、良い設備が整っていても、職員の数が少ないと良い介護は提供できません。法律では老人ホームは高齢者3名に対して介護職員が1名(常勤配置)と決まっていますが、これは最低限の人数です。
その為、3対1で配置しているところは、職員の数がぎりぎりであるといえます。
高級老人ホームの場合ですと1対1.5人という人員配置をしているところもありますが、通常の特養などでも2対1という配置をしているところもあります。
出来るだけ介護職員が多い所の方が、職員も余裕があり、良い介護を提供している傾向があります。
・見学の時はここをチェック
老人ホームに見学に行く場合があるかと思いますが、その際のチェックポイントについてご紹介していきます。それは自分への対応ではなく、他者への対応を見るということです。
見学をした際、見学者には案内担当の職員が付きます。
そういった職員は見学者の対応には慣れていますので、対応は丁寧です。
しかし、それだけでは施設の評価を決めるのは辞めておきましょう。
見学の際に介護職員が高齢者に対してどのような言葉使いをしているのか、どのような対応をしているのか確認するようにしましょう。
どの職員が、どの高齢者に対しても丁寧に対応をしている所であれば良い老人ホームだといえます。反対に虐待に近い言葉使いをしているところ、対応をしているところは悪い老人ホームだといえるでしょう。
・清潔で整理されている
老人ホームの中には長年運営をしているところもありますので、中には劣化している老人ホームもあります。古いというだけで老人ホームを判断するのは辞めておきましょう。
建物自体古くて、内装も古くてもきちんと清掃が行き届いているのかを確認する方が良いです。
また、物が大雑把に置かれていたり、車いすが適当に置かれているなど、きちんと整理をしているのかも大きなポイントとなります。
なぜ清潔と整理が良い老人ホームの選び方に繋がるかというと、老人ホームは職員の働く場所ではなく、高齢者が生活をしている場であるからです。
普段から高齢者の生活の場だと認識している場合は、きちんと整理、清潔を意識するのは当然です。
また、そういった老人ホームは高齢者への対応も良いですし、高齢者を思った介護を提供していることが多いといえます。
・民間企業の場合は運営実績が重要
特養や老健は国からの補助が手厚いですので、悪い老人ホームの評判が広がって入居率が低下したとしても滅多に潰れることはありません。
しかし、有料老人ホームなどの民間企業が運営をしている老人ホームの場合は、入居率が低下すれば倒産の可能性もあります。
そういった懸念がある中で、長年老人ホームを運営している民間企業があれば、そこは良い老人ホームであるといえます。
目安としては、15年以上運営している場合は良い老人ホームの可能性が高いといえます。
・良い老人ホームは増加してきている
老人ホームは市町村や都道府県が管轄している、運営は年々厳しく見られてきています。
老人ホームに良いサービスを提供してもらうために、市町村や都道府県は様々な取り組みを実施しています。
その取り組みに合して、老人ホームも運営されていきますので良いサービスを提供する環境を整いつつあります。
老人ホーム全体を考えると昔に比べると良い老人ホームは増加している傾向にあります。
★老人ホームの中には、質を高めるよりも売り上げを伸ばすことに意識を持っているところもあります。
老人ホームは高齢者の生活を守る意味もありますので、しっかりとその目的を持って運営をしている老人ホームが良い老人ホームであるといえます。
専門家が語る良い老人ホームの選び方
私は介護業界に長年働き、様々な施設を見てきました。
特にケアマネジャーとして働いていた際は、在宅生活が難しくなってきた高齢者に対して老人ホームの入居を勧めてきた経験がありますので、良い老人ホームの見極め方を知っています。
良い老人ホームの見極め方についてご紹介していきます。
・様々な取り組みをしている
良い老人ホーム程、様々な取り組みをしている傾向があります。例えば、認知機能が低下している方に、以下の取り組みがあります。
①バリテーション…認知機能が衰えた高齢者とのコミュニケーションの技法
②認知機能が低下した方向けのケアマッピング…認知機能が低下した高齢者の、生活の質向上が期待できる技法
③ユマニチュード…認知機能低下ケアの質を総合的に上げる技法
など様々な技法があり、これを積極的に取り組んでいるところは職員の熱意もあり良いケアを提供していることが多いです。
また、介護ロボットやIT関連の取り組みを積極的に行っている老人ホームはおすすめです。
①介護ロボットの導入…移乗介護をする際にリフトを導入している
②IT関連の導入…インカムを使って職員のスムーズなコミュニケーション、各室にセンサーを導入して職員の負担軽減と異常の早期発見に努めている。
③IT関連の導入2…パソコンを活用してAIでのケアプラン作成、タブレットなどを利用して記録の迅速な対応。
これらの取り組みをしている老人ホームは職員の負担が少なく、介護に取れる時間が長くなり結果的に高齢者の生活が充実する傾向にあります。
また、事故やミスも起こりにくく良い老人ホームであることが多いのです。
・対応が早い
ケアマネジャーとして様々な施設の職員と関わった経験から、対応が早い老人ホームは介護の質も非常に高いです。
ある職員になぜそこまで対応が早いのかと質問をすると「高齢者の体は日々変化していきます。
私たちの都合で待たせてしまうと状態が悪化する可能性があるので、出来るだけ早く対応するようにしています」と返答がありました。
これは、高齢者の特性を的確に理解した答えです。入居した後からでも、要望等にはすぐに応えることをしていましたので、入居している高齢者からしてみれば良い老人ホームであるといえます。
・職員の勤続年数が長い
介護福祉士は勤続年数は7年未満、初任者研修や実務者研修の方の場合はさらに短いです。
老人ホームの職員は入れ替わりが激しいといえます。しかし、これは高齢者からしてみれば負担が大きいといえます。
慣れ親しい職員がいなくなって、新しい職員が入ってくると一から介護について教育をしなければいけません。
その間高齢者は、慣れていない職員の介護を受けることになり負担が増加します。
また、長年一緒にいる職員であれば「言わなくても分かる」という関係が築けていますので、そういった職員が少なくなるといちいち言わないといけない状態になりますので、ストレスが溜まってしまいます。
★ポイント
多くの高齢者、多くの老人ホームを見ていると様々なポイントが見えてきます。
老人ホームを探している方の多くは、これまで老人ホームの職員と関わったことがない場合がほとんどですので、何を見ていいのか分からないこともあります。
上記で紹介した3つのポイントは良い老人ホームかどうか図るためには、非常に有効なポイントとなりますので是非参考にしてください。
事前に良い老人ホームか知る方法
老人ホームは入居してみないと、どんなサービスを行っているのか分からない部分が非常に多いです。ここでは、入居する前に老人ホームを調べる方法についてご紹介していきます。
・デイサービスを利用する
特養、有料老人ホームでは、施設に併設をしてデイサービスを行っていることがあります。
もし在宅介護を受けているのであれば、デイサービスの利用を通してどんな老人ホームなのかある程度知ることが出来ます。
特に食事などは老人ホームとデイサービスで、同じ料理を出しているところがほとんどですので、普段どんな食事を食べているのか知ることが出来ます。
また、入浴やリハビリに関しても老人ホームとデイサービスが共用している場合もありますので、非常に参考になるかと思います。
また、特養であればほとんどの老人ホームでデイサービスを実施していますので、もし入居前にどんなサービスをしているのか、どんな雰囲気なのか調べたい場合はデイサービスを利用することをお勧めします。
・ショートステイを利用する
ショートステイは、在宅サービスの一つであり、老人ホームに短期間だけ泊まれるというサービスです。
デイサービスと違って、実際生活を体験することが出来ますので、非常におすすめの方法であるといえます。
また、ショートステイは老人ホームの一室を借りて泊まれますので、実際に入居した時と変わらないサービスを受けることが出来ますし、職員も老人ホームの職員が対応してくれますので、介護の質も見ることが出来ます。
またショートステイは特養だけではなく、老健などでも実施しています。
・体験入居を利用する
体験入居は、期間を決めて老人ホームに入居することによって本入居するかどうか検討するというものです。
特養や老健ではショートステイでお試しが出来ますが、有料老人ホームの場合はショートステイをしてないところがほとんどですので、この体験入居という制度があります。
体験入居は実際に入居した時と全く同じサービスを受けることが出来きますので、是非お勧めしたい制度です。
注意しないといけない点としては、有料老人ホーム側としては入居をしてもらいたいので、体験入居中は非常に充実したサービスを提供する可能性があるということです。
その為、本入居になればサービスの質が下がったという声もあります。
こういったことを防止するためには、他の入居者がどんなサービスを受けているのかきちんと確認しておくことが必要になります。
★ポイント
デイサービスやショートステイは老人ホームとは別サービスですが、良いデイサービスを持っている老人ホームの評判は高い傾向があります。これは教育体制が行き届いていることが大きな要因です。
必ず良い老人ホームに入居したいと考える方へ
老人ホーム選びには絶対に失敗をしたくないと考えている方は、どのような方法があるのでしょうか。良い老人ホームに入居する為のポイントについてご紹介していきます。
・激戦区を選択する
老人ホームは地域によって密集しているところ、少ししかないところがありますが、傾向としては密集している激戦区の方が対応が良い老人ホームが多いです。
当然これは、競争率が高いからです。
有料老人ホームの場合は競争率が高い方が、良いサービスを提供して評判を挙げたり、他にはない取り組みをして質を高めている傾向があります。
・月額契約をする
入居しないと分からない部分が多い老人ホームですが、入居一時金など大きなお金を支払ってしまいますと「思っていたことと違った」と思ってもなかなか次の老人ホームを探すことが出来ないかと思います。
そういったことを防ぐために、出来るだけ月額契約をすることをお勧めします。
入居一時金を支払わない代わりに、月額料金を高めに支払うという契約です。
これは実施している老人ホームもあれば実施していないところもありますので事前に確認をしておきましょう。
月額契約の場合は割高にはなりますが、入居一時金を支払う必要がありませんので、他の施設に移りやすいといえます。
・気になる部分は書面で回答してもらう
入居する前に聞いたことが、入居した後に違うかったということはよくあります。そういった時は「言った、言わない」となってしまいますので、事前に書面で回答をしてもらうことをお勧めします。
書面で回答してもらうことによって「言った、言わない」を防止することが出来ますし、きちんと理解した上で入居することが出来ますので、口頭での口約束などは出来るだけしない方がおすすめです。
★良い老人ホームに入居する方は、ある程度考えてから入居をしています。どうしたら良い老人ホームに入れるのか、もし良い所でなかった場合、といったように、リスクもきちんと理解した上で入居しているケースが多いです。
特に高級有料老人ホームの場合は、1千万以上の入居金を支払うことありますので、しっかりと対策を講じています。
良い老人ホームに入るために
老人ホームは一度最期の住処として入居する方も多々います。
人生最後の住処として出来るだけ良い老人ホームを選択したいと考える方が大半であり、そういった視線で老人ホーム探しをしていると良い老人ホームに巡り合うこともできます。
対にどこでも良いから親を入れたいと考え、老人ホーム選びをしてしまいますと悪い老人ホームにたどり着いてしまう可能性は高いといえます。