ケアハウスに入るための条件と費用について

ケアハウスは高齢者のための施設であり、その歴史は非常に古いです。

ある程度元気な方や、介護が少しだけ必要な方は、他の施設と比べて費用が安いケアハウスが選択肢の一つとして上がってきます。

しかし、特養や老健のように知られていないので、ケアハウスはどんな施設なのか詳しく知っている人は少ないのです。

少しでも、納得した老後を過ごすためには、選択肢は多い方がいいでしょう。

そこで、ケアハウスとはどんな施設なのか?入居条件や有料老人ホームとの違いなどについてご紹介していきます。

ケアハウスの種類について

ケアハウスは軽費老人ホームの略称で、大きく分けると3つの種類があります。それぞれ見ていきましょう。

①軽費老人ホームA型

軽費老人ホームにはそれぞれ種類があります。

A型は元気な高齢者が安心して入居できる施設であり、食事サービスが付いています。

部屋は個室で、レクリエーションやアクティビティはありますが、元気な方が入居されるため、介護サービスは提供していません。

もし、身体などの状況が変わったら、介護の相談を受けることはしてくれます。

②軽費老人ホームB型

軽費老人ホームBには食事サービスが付いておらず、それ以外は軽費老人ホームA型と全く同じサービスです。

食事サービスがついていませんので、自炊や買い出しに行けることが条件となっています。

A型と比べると、比較的元気な方が多いのが特徴的です。

 

ちなみに軽費老人ホームA型と、B型は、2008年以降の新設が認められず、今後は徐々に廃止される流れとなっています。

軽費老人ホームで受けられるサービスは、サービス付き高齢者向け住宅がほとんど同じようなサービスを行っていますので、そちらに移行していく形となります。

A型もB型も入居条件としては60歳以上の方が対象となります。特養などが65歳以上となっていますので若い時から入居できるメリットがあります。

③ケアハウス(軽費老人ホームC型) 一般形

軽費老人ホームC型が、ケアハウスと呼ばれる施設で、A型とB型は今後廃止されていく流れとなりました。ここではケアハウスのことは軽費老人ホームC型を指します。

ケアハウスには主に一般型と介護型があります。

一般型は生活支援を行うことを目的としていて、生活支援とは洗濯、掃除、調理などの支援が受けられます。そのため、一般形には食事の提供サービスがあります。

原則として、介護がほとんど必要でない方が入居しており、介護サービスを利用する場合は在宅と同じように外部の在宅サービスを使うことになります。

常に介護を提供することが出来ませんので、在宅サービスを使ったとしても介護が足りない場合は退去を求められることがありますので、介護状態になったときの転居も考えておいた方が良いでしょう。

④ケアハウス(軽費老人ホームC型) 介護型

ケアハウスのもう一つの種類としては、介護型というものがあります。

こちらに関しては、生活支援と介護を提供することを目的としていますので、介護状態の方が対象となります。

要介護1以上の方を入居条件としており、介護が必要でないと入居することが出来ませんので注意しておきましょう。

ケアハウスの介護型は、特定施設入居者生活介護の認可を受けます。これは介護付き有料老人ホームと同じ認可となります

そのため、介護職員が常時配置しており、常に職員がいますので、介護が必要な状態になったとしても生活を続けることが出来るのです。

ケアハウスは一般形も介護型も65歳以上からの入居が可能です。A型とB型が60歳以上に対して5歳差がありますので注意しておきましょう

 

ポイント

ケアハウスは3種類ありますが、特にA型とB型はその費用の安さから人気があり、入居したくても定員が多く、入居できない状況が続いています。

その理由としてはやはり利用料金の安さです。普通に在宅で生活をするよりも安いこともありますので、人気が高いのです。

さらに、今後新設されることはないため、入居のハードルが高いと言えるでしょう。

ケアハウス(軽費老人ホームC型)の利用料金について

ケアハウスの利用料金に関しては、入居金と月額費用に分かれます。それぞれ見ていきましょう。

・入居金について

ケアハウスの場合は、入居時にまとまったお金を支払う必要があります。

費用としては、数百万円に設定しているところがほとんどであり、200万円~400万円前後で設定しているところが多いです。

特に介護型に関しては入居金が高い傾向にあり、400万円以上で設定しているところがほとんどです。

しかし、入居金に関しては入居した年数によって返還されます。

多くの場合20年償却にしており、入居金が200万円で、償却期間が20年、10年入居後退去となれば入居金の半分の100万円が戻ってくる計算になります。

また、入居金の他に敷金などを設定しているところもあります。これは、特に問題無ければ退去時にお金が返却されますので安心しておきましょう。

・月額費用について

ケアハウスの月額費用に関しては、主に、生活費、管理費、事務費、介護自己負担分(介護型のみ)その他費用に分類されます。

①生活費

2019年度時点では生活費は月額43700円であり、これは全国一律です。これには食事サービス費や光熱費が含まれています。冬場は数千円加算されます。

②管理費

管理費に関しては家賃に当たる費用となります。入居金を支払うところは入居金から管理費が支払われる制度になっています。入居金を設定していないところは管理費を毎月3万円前後支払うこととなります。

③事務費

次は事務費です。これは施設経営の維持の為の費用であり、設備費や人件費に充てられます。これは所得によって違いがあります。例えば前年度の年収が150万円以下の場合は事務費は1万円でこれが最低の金額です。

年収が上がれば事務費も上がり、年収が200万円を超えると事務費は3万円となります。年収が300万円をこえると事務費は86830円となりこちらが最高の額となります。

④介護保険自己負担分

介護自己負担分は、介護型のみが対象となります。特定施設入居者生活介護に準ずる費用を請求されます。

介護度が高くなればなるほど費用の負担が大きく、要介護5であれば約5万円程度の負担となります(1割負担の場合)

 

入居金を支払わない、介護型で介護サービスを要介護5で使っている場合ですと月に12万円~20万円前後(年収によって異なるため)となります。

しかし、入居金を支払っており毎月の家賃負担がない、一般形に入居しており介護保険を使っていない、年収も低い場合は月に8万円もかかりません。

★ポイント

ケアハウスの料金は、その設備などを考えると非常に安いといえます。

特に介護保険を使わない、年収が低い場合は10万円以下で生活が出来るので、安いといわれているサービス付き高齢者向け住宅並みに費用が安いといえます。

有料老人ホームとケアハウスの違いと共通点

ケアハウスの介護型であれば、介護が必要になっても暮らし続けることができます。

同じように、介護が必要になっても住み続けられる施設には、有料老人ホームがあります。

どちらも、特定施設入居者生活介護という点で共通しているためで、それぞれどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

介護サービスは基本的には同じ

有料老人ホームとケアハウスの介護型に関しては、基本的にはサービスは同じです。

その理由としては特定施設入居者生活介護の認可を取っているからです。

特定施設入居者生活介護としてサービスを提供するなら、職員の人員配置は決まっていますし、サービス内容も決まっています。そのため、基本的な部分では、同じ介護サービスとなるのです。

有料老人ホームはサービスを上乗せしている

有料老人ホームの場合は、特定施設入居者生活介護の基本的な部分に、上乗せをして介護サービスを提供しているケースがあります。

例えば、人員配置ですが特定施設入居者生活介護は常勤換算で、高齢者3名に対して介護職員が最低でも1名必要です。

有料老人ホームの中には、齢者2名に対して1名、1.5名の高齢者に対して1名の介護職員が配置されているところも珍しくはありません。

また、設備に関しても有料老人ホームは充実させている傾向があります。

例えば、居室の広さを広くとっている、共用部にトレーニングジムを置いている、温泉施設があるなどです。こういったところに力を入れて、より質の高いサービスを目指しているところが多い傾向があります。

ケアハウスも有料老人ホームも、元気なうちから入居できて介護が必要になれば介護を受けながら住み続けることができますが、

人員を手厚く配置していたり、生活の質を高めるための設備やイベントなどを充実させている分、有料老人ホームの方が費用がかかってしまうのです。

料金は有料老人ホームの方が高い

有料老人ホームもそれぞれ入居金と月額費用に分かれます。ケアハウスと比べると高い傾向にありますが、それぞれ見ていきましょう。

①入居金について

有料老人ホームの入居金に関しては入居一時金として、ケアハウスと同じように家賃として当てられます。

そのため、定められた償却期間を過ぎる前に退去した場合は、その分が返還される仕組みとなります。

しかし、有料老人ホームの場合はその額と、償却期間の年数がケアハウスと比べて違います。

まず、入居金の費用が高いのです。もちろん安いところもありますが、1000万円を超えるところも普通にありますし、高いところですと億を超える場合もあります。

また、償却期間についてもケアハウスの場合は20年が一般的であり、短いところでも10年程度に設定しているところが多いです。しかし、有料老人ホームの場合は5年償却が一般的であり、長くても7年、短ければ4年というところもあります。

そのため、償却されるペースが短く退去してもお金があまり返還されない、年数がたつと返還自体されないケースがあり、総額でみると有料老人ホームの方が高い傾向があります。

②月額費用について

有料老人ホームの月額費用についても、ケアハウスよりも高いことがほとんどです。有料老人ホームの場合は20万円を超えることが多く、25万円~30万円ほどが平均値。

これは有料老人ホームの管理費などが高いからです。また、人員を多く配置しているところは、その分の費用を取っている場合もありますので高くなりがちです。

 

★ポイント

有料老人ホームとケアハウスを比べてみると、有料老人ホームの方が入居金も月額費用も高いことが分かります。特に償却期間に関しては有料老人ホームの方がはるかに短いケースもありますので、そういった部分も考慮して比較することが大切になります。

まとめ

ケアハウスは介護がきちんと受けれて、尚且つ料金が安いので非常にお得に生活が出来ます。

しかし、種類によっては介護が受けられないところもあるので、もし入居するのであれば、どのような介護を受けれるのか、重度になっても対応をしてくれるのかなどをきちんと確認してから入居するようにしましょう。

また、介護が必要になったら、他の施設に転居することも計画しておくと安心です。

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